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源氏物語の作者「紫式部」謎に包まれた家庭環境 式部の父親や母親はどんな人だったのか?

東洋経済オンライン / 2024年1月6日 11時0分

これは、式部が3歳か4歳頃のことと推測できます。紫式部は日記を書いていますが、そこに、幼少期の頃の父(為時)の思い出は記されていますが、母のことは書かれていません。

それは、式部が幼い頃に母を亡くしたことを表しているのでしょう。

式部の母亡き後、為時は一生独身を貫いたわけではありません。他の女性と結婚し、子供をもうけています。藤原惟通(後に安芸守に就任)・定暹などが、式部の母以外の女性から産まれているのです。

しかし、式部の継母というべき女性については具体的なことは何一つわかっていません。式部らがその継母と同居していた様子はありません。為時は新しい妻を自分の邸に迎え入れることはなかったようです。

式部やその姉弟は、母のいない家庭に育ったのでした。とは言え、女手がまったくなかったかというとそうではなく、乳母や女房(侍女)は邸にいたでしょうから、式部らは、父・為時と彼女らの手によって育てられたはずです。そのことは、式部の生涯や性格に何か影響を与えたのでしょうか。

(主要参考文献一覧)
・清水好子『紫式部』(岩波新書、1973)
・今井源衛『紫式部』(吉川弘文館、1985)
・倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社、2023)

濱田 浩一郎:歴史学者、作家、評論家

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