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「1枚1207円」吉野家の鰻重が"高め"でも人気な訳 でかい・厚い・うまい!をかなえるこだわりとは?

東洋経済オンライン / 2024年1月7日 11時0分

鰻重を食べる機会はそう多くありませんが、ご飯が余ることこそあれ、鰻が余ることはなかなか珍しいのではないでしょうか。1000円少々で、これほど大きな鰻を食べられることに衝撃を覚えました。

ここ10年で女性客が増加 きっかけは「牛すき鍋膳」

ここであらためて、吉野家の紹介です。吉野家の創業は1899年までさかのぼり、牛丼御三家の中では最古参といえます。魚河岸があった東京・日本橋で創業し、関東大震災で魚市場が築地へ移転するとともに、吉野家も築地へと場所を移しました。

チェーン展開を始めたのは、1960年代の後半からでした。1968年に2号店の新橋店、翌1969年には3号店として神田店をオープン。吉野家のキャッチフレーズとして親しまれてきた「早い、うまい、安い」もこの時期から登場しました。ちなみに現在では「うまい、やすい、はやい」へと順番が入れ替わっています。

2007年にホールディングス化を行い、現在は吉野家ホールディングスの主力ブランドとして営業している吉野家。2023年10月時点で国内に1225店舗を展開しています。これまでの客層は、男性がメインでした。その比率は9割を超えるほどだったそうですが、ここ10年で女性客の比率も増えています。店内飲食のうち3割ほど、テークアウトではほぼ半数を占めているそうです。

その大きなきっかけとなったのが、2013年に発売した牛すき鍋膳。コストパフォーマンスとともに五徳に鍋を乗せて提供するスタイルが受け、男性層が家族を連れてきて客層が広がっていきました。

女性の社会進出が当たり前になり、外食する機会が増えたことも影響していそうです。メニューのラインアップだけでなく、テーブル席やドリンクバーなどを備える「クッキング&コンフォート」と呼ぶスタイルの店舗も全体の4分の1ほどに拡充するなど、さまざまな取り組みで女性客の取り込みを図ってきました。

吉野家ホールディングスの羽鳥純さん(商品開発部)によると、鰻重が吉野家のメニューとして初登場したのは2007年。当時は現在のような通年で提供するレギュラーメニューではなく、期間限定で、「鰻重」ではなく「鰻丼」でした。単品で490円と、値上げラッシュが続く今では信じられないような低価格で提供していました。

以降は土用の丑の日があり、鰻の時期として知られる夏季限定で販売していましたが、年間を通して食べたいという声を受け、2015年から通年で提供することになりました。通年で提供するようになったタイミングで、丼から重へとリニューアルするとともに鰻のサイズも見直し。従来比で1割ほど大きくなりました。さらにその後、2022年に再度大きな従来比1.5倍のサイズへと変更をしています。

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