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超便利な「AI英語学習」で決定的に足りないもの AIツールを使っても英語力が身につくかは別

東洋経済オンライン / 2024年1月8日 7時30分

では、AI英語学習ツールは万能なのかと言ったら、そうではないと思っています。

「必然」と「欲望」というのは、私がいつも書いていることですが、AI英語学習ツールがダメというわけではなく、ツールがどんなに良くなっても、使う必然や、使いたいという欲望がなかったら使わないということです。

例えば、私たちが普段使っているワードやエクセルだって、機能の何%を使っているでしょうか? もしかしたら10%も使っていないかもしれませんよね。ツールとしてはどんどん便利になって、あれもできる! これもできる!と進化していはずですが、そこまでのレベルの機能を使う必然や欲望がなければ、それは宝の持ち腐れです。

AI英語学習ツールも同じことが言えます。「英語の勉強をやりたいけど、生身の人間が相手だったら恥ずかしい」という方にはAI英語学習ツールは最高なツールでしょう。でも、それはあくまで「英語の勉強をやりたいけど」という欲望があることが大前提です。

何を始めるにしても、あるいは続けるにしても、大切なのはいわゆる「モチベーション」で、オンライン英会話サービスもAI英語学習ツールも、提供している企業はそこを考えて工夫をしていますが、それでも弱いと思います。

「仕方ないからやるしかない!」という必然や「絶対にやりたい!!」という、強烈な欲望のレベルには至りません。

日本の教育環境が落とし穴?

新興国の大学生が英語ができるのは、必ずしも彼らが日本人より言語のセンスがあるとか頭がよいからではないと思います。彼らの国では、自国の言語で専門分野の教科書がないという事情もあるのです。そのため、アメリカやイギリスの大学の教科書を使わざるをえず、英語で学ぶしかありません。英語を勉強したいというわけではなく、英語で勉強するしかないという必然があるのです。

それに対し、日本の大学では教科書が基本的にすべて日本語です。英語で学ばなければいけないという必然がありません。結局、人は環境に依存していると思うのです。

でも、必然は「やるしかない」という環境に依存しますが、欲望はそうではありません。どうしてもやりたいことのために「絶対に英語を身につけたい!」という欲望があれば、それはそれで人を行動に駆り立てます。

だからツールの進化は喜ばしいことですが、今年こそ英語を学びたいと思う人が最初にやるべきことは、どうやって「行動を起こさせる環境」に自分を追い込むかを考えることなのです。どんなにツールが良くても、それだけでは英語力を身につけることは厳しいという自覚が必要です。

豊田 圭一:株式会社スパイスアップ・ジャパン代表取締役

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