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避難所に「ペットと同伴」の必要性を改めて考える 同伴避難に取り組む地域もあるが、課題は多い

東洋経済オンライン / 2024年1月10日 11時0分

自分の住んでいる地域の自治体が同伴避難の受け入れをしているかどうかは、自治体のホームページで確認できますが、ページが多く見つけるのが難しいという難点があります。その場合、サイト内の検索機能で「同行避難」「同伴避難」などのキーワードで検索をすると関連ページが表示されます。見つからない場合には、自治体に直接問い合わせてみましょう。

民間に広がる災害動物支援活動

民間でも災害発生時に飼い主とペットを受け入れる施設が増えています。

学校法人昭徳学園九州動物学院併設竜之介動物病院では、熊本地震の際にペットを連れた被災者を受け入れ、一時は300人を超える人たちの避難所として活動しました。2021年5月には熊本市と災害時の連携協定を締結し、2022年9月の台風襲来時にも避難所として活動しています。

NPO法人人と動物の共生センターとNPO法人全国動物避難所協会が協力して運営している「うちトコ動物避難所マップ」は、家(うち)からトコトコ歩いて行ける近くの場所に、動物避難所が当たり前のようにある社会を目指して、動物避難所をマッピングしているWEBサイトです。

登録されている避難所は、現時点で18件と少ないですが、協力する事業者が増えていけば自治体との連携も可能だと筆者は考えます。

うちトコ動物避難所マップはこちら

「りく・なつ同室避難推進プロジェクト」は2023年7月、歌手の伍代夏子さんが災害時に人とペットが安心して同じ室内に避難できる社会の実現を目指し、災害時の備えや、同室避難に対する飼い主の意識を高めること、ペットと一緒に避難することの重要性の発信を目的に始めた活動です。

ペットを家族の一員としてとらえる飼い主は多いですが、「同室避難」の意識はまだ浸透していません。芸能人がその知名度をフルに活用して周知活動を行うことは、大きな効果が見込めます。

すべての自治体で「同伴避難」を

ペットの存在を理由に避難しない、ペットと避難できず、喪失感から生きる気力を失うといった問題を解決するためには、「同行避難」と「同伴避難」が連動していることが不可欠です。

国が「同行避難」を推奨しているのであれば、自治体はその受け皿としての「同伴避難」を重要視し、その備えをしなければならないと考えます。

一方で、解決しなければならない課題も少なくありません。

例えば、避難所には子どもや高齢者、持病や障害、アレルギーのある人などさまざまな人が集まります。過去の災害ではペットの鳴き声、ニオイ、抜け毛、排泄物などが、ペットを飼っていない人にとっては大きな問題となりました。また、ペットフードや水、ペットシーツなとの確保、犬の散歩のエリアの確保、また犬の咬みつき事故などが、飼い主側の問題といえます。

だからこそ、飼い主とペットの適切な居場所を設け、少しでも安心できる避難生活を送れるような避難所づくりをしておくことが大切でしょう。

飼い主は自分の住む地域の自治体に「同伴避難」の受け入れがあるかどうかを確認しましょう。もし受け入れがない場合には、「受け入れをしてください」と要望することが大切です。飼い主である住民が声を上げることが、実現する一番の早道だからです。

災害はいつ起こるかわかりません。避難所にこだわらず、親族や友人・知人宅への避難や信頼できるところにペットを預けるなど、避難先について事前に家族で話し合っておきましょう。

あわせて、ペットと一緒に避難生活するために、災害に対する普段からの備えについて学んでおくことが大切です。

阪根 美果:ペットジャーナリスト

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