ホンダと開発「アフィーラ」に透けるソニーの意図 アメリカで開催「CES」で最新プロトタイプ披露
東洋経済オンライン / 2024年1月10日 8時0分
アメリカ・ラスベガスで開かれる世界最大級のテクノロジー見本市、「CES」が現地時間の1月9日(日本時間1月10日)に開幕した。
【写真】ソニー・ホンダモビリティが共同で開発、ラスベガスで披露された「アフィーラ・プロトタイプ2024」の後部。電子ミラーから物理ミラーに変更されている
開幕に先立って始まったソニーグループのプレスブリーフィング。その場で「人とモビリティとの関係を再定義したい」とぶち上げたのは、ソニー・ホンダモビリティ(以下、ソニー・ホンダ)の川西泉社長だ。
ソニーとホンダの合弁会社である同社が開発するのが、EV(電気自動車)ブランド「AFEELA(アフィーラ)」だ。昨年のCESでプロトタイプが初公開され、今年はその最新タイプが展示される。プレスブリーフィングで、まず報道陣と関係者にお披露目された。
目立つ「モビリティ」への注力度
最新のプロトタイプで改めて打ち出されたのは2つ。生成AIを自動運転に活用することと、車内をエンタテインメント空間として活用することだ。
生成AIの活用ではマイクロソフトと協業し、単なる音声コマンドによる操作ではなく、車がユーザーと自然に会話できる環境の構築を目指す。車内空間作りでは、仮想空間を瞬時に描けるゲームエンジンも活用する。
CESを年度最大のイベントと位置づけるソニーは、各国の名だたる電機メーカーが集まる会場内で最大級のブースを展開する。ブースではソニーが手がける映画、ゲーム、スポーツ、IP(知的財産)、モビリティなどに関連する内容を4つの展示コーナーに分けそれぞれ最新技術を披露している。
中でも注目を集めそうなのが、ソニーグループの半導体事業会社、ソニーセミコンダクタソリューションズが中心となって計画した「モビリティ」分野の展示だ。ブース全体の入り口に配置されており、ソニー・ホンダのブースと通路を挟んでちょうど向かい合った位置にある。
ソニーが開発・製造している画像センサーを中心とした各種半導体がどのように用いられるかを示した自動車のモックアップ(実物大模型)が主役で、これまでに発表した半導体を一覧できる展示もある。
今回展示されているモックアップは、来場者が実際に乗り込んで、搭載された各種センサーの動作をリアルタイムで体験できる。ソニーが得意としている画像センサーはもちろん、センサーからの距離を測るLiDARやToFセンサーを使ったリアルタイムの認識結果を後ろの画面で確認できる。
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