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独り歩きする「心理的安全性」 誤解と本当の意味 「4つの不安」を解消し「7つの効果」を上げる

東洋経済オンライン / 2024年1月12日 16時0分

心理的安全性を高める効果は多方面から期待されています。以下、7つの効果をご紹介します。

①エンゲージメント向上
メンバー同士の信頼関係が構築されると、対人関係について心配せずに働くことができ、組織に対する貢献意識が高まります。

②パフォーマンス向上
お互いが高みを目指して相互要望をしながら切磋琢磨して業務に取り組むことから、高い生産性と成果が期待されます。

③学習文化の醸成
情報共有がクイックにされることでメンバー同士が経験や失敗から即座に学び、次に生かせる一手が打てる継続的な学習と改善文化が育まれるようになります。

④リスクの顕在化と対策
ミスやクレームを犯しても、自分だけが責められたり人間性を否定されるリスクが少ないため、バッドニュースも迅速に共有されます。結果、適切な対処が可能になります。

⑤組織の分断解消、連携強化
リスクを恐れずに発言できるため、積極的なコミュニケーションが生まれ、組織間の分断解消、業務連携がはかどります。

⑥階層間の意思疎通強化
チーム内部にとどまらず、モノが言えることで現場のメッセージをボトムアップで進言しやすくなり、階層間での意思疎通も活性化します。

⑦創造性の発揮やイノベーション創出
新しい視点から意見やアイデアが生まれ、知識の共有や交換によって創造性の発揮やイノベーションの創出につながりやすくなります。

心理的安全性と聞くと、「仲良しサークルのような居心地の良い職場をつくること」と誤解されることがよくあります。

対人関係のリスクを下げるために誰かを不快にさせないように気遣いをしたり、失敗やミスがあっても指摘せずにやり過ごす。気になることがあっても率直な進言を避けて、遠回りな物言いで誤魔化してしまうことは珍しくありません。

心理的安全性にまつわる誤解

しかし、こうしたふるまいは、チームの改善や学習力の強化を妨げてしまいます。前述のエドモンドソン教授 によると、グループの人間関係に影響を及ぼす環境の構成要素として、心理的安全のほかに責任があり、この責任の高低が組織の状態を規定すると言います。以下、各象限で起こる組織の状態を紹介します。

●無関心(Apathy Zone) 心理的安全性も責任も低い職場では、メンバーは仕事について無関心になりがち。大規模で上層部の人数が多い組織でよく見られる状態です。
●快適(Comfort Zone) 心理的安全性は高く責任は低い職場では、仲良く、楽しく仕事ができますが、チャレンジが生まれにくく、学習やイノベーションの妨げになります。
●不安(Anxiety Zone) 責任は高く心理的安全性は低い職場(完全歩合給のコミッションセールスのような組織)では、基準が高すぎて不安が生み出される傾向があります。
●学習(Learning Zone) 心理的安全性と責任のどちらも高い職場は、メンバーは協働しやすく、互いに学習し、仕事をやり遂げることができる理想的な状態です。

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