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若者に人気「あいつら全員同窓会」どう英訳するか タイトルの英語訳を考えると語彙力が伸びる

東洋経済オンライン / 2024年1月13日 12時30分

これを一言で、英語で表現するとしたら、みなさんはどんなタイトルをつけますか?

正解をお話しすると、英語版のタイトルは「Inside joke」、つまり「内輪ネタ」です。

「内輪で盛り上がれるような冗談」「インサイド(内側・内輪)な空間だけで通じるようなジョーク」という意味になります。これが「あいつら全員同窓会」の英語版タイトルなのです。

腑に落ちると感じる人はどれくらいいるでしょうか? 僕はとてもしっくりきました。くだらない話で盛り上がっている「あいつら」を揶揄している情景を表現する、素晴らしいタイトルだと思います。

そして、この話をわかっていると、「内輪」や、「Inside」という言葉が持つ語彙の広がりを理解できるのではないでしょうか。

「人間失格」英語でどう訳す?

文学作品のタイトルでも、同じく英語タイトルを考えてみましょう。

太宰治の「人間失格」は、世界でどのような英訳がされて販売されているのか、みなさんは知っているでしょうか。

多くの人は知らないと思うので、ここでみなさんに考えてもらいたいと思います。

「日本語の作品名が、英語だとなんと訳すのか」を考えると、その日本語の持つ意味・作品の持つ奥深さ、またはその表現に隠された意味などが見えてくることがあります。

「人間失格」。

ある男の転落人生を描く「人間失格」という小説は、その人間らしい葛藤や人間臭さから大きな評価を得ている文学作品です。読んだことはなくても、知っているという人がほとんどだと思います。でも、英語のタイトルは何かと聞かれると、答えが難しいですよね。

直訳しようとして辞書を使うと、「失格」は「disqualification」と出てきます。そのため、機械的に翻訳をするだけだと、「disqualification of human being」という訳になります。

しかし、これは正しいのでしょうか?

「disqualification」は、レースや試合などで出場する資格がない状態のことを指します。

「この試合に出るクオリティ(=資質)がない」という意味になるわけですが、それは本当に、小説「人間失格」のタイトルとしてふさわしいのでしょうか?

ただ日本語を英語にしたりするだけでは、意味が通らないのです。

本当の語彙力というのは、その言葉の持つニュアンスや背景を知って、それを深く解釈する力のことだと思います。

その意味で、「失格」=「disqualification」という語彙だけを知っていても、「語彙力がある」とは言えないのではないでしょうか。

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