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日本の電機メーカーはCESで「ど派手演出なし」 韓国・中国勢を横目に新製品展示から距離置く

東洋経済オンライン / 2024年1月13日 8時0分

「CES2024」会場でのホンダのブース。新グローバルEV「Honda 0シリーズ」が初公開されたこともあって多くの人が詰めかけた(記者撮影)

アメリカ・ラスベガスで最終日を迎えた2024年の「CES」。世界最大級のテクノロジー見本市には、パナソニックホールディングスやソニーグループ、三菱電機など日本からも大手企業が複数出展した。

【現地写真】パナソニックが展示でアピールしたことの1つが「製品の梱包材」

その中でひときわ活況だったのは1月9日の10時半(現地時間)から開かれたホンダの発表会だ。メディアと関係者以外の入場が制限されたブースの周りには身動きできないほど、大勢の人が詰めかけた。

華々しいコンセプトムービーとともに、新しいEV(電気自動車)シリーズ「ゼロ」の幕が落とされると、観客は大盛り上がり。多くの海外メディアがわれ先にと車を取り囲み、ブースが一般に開放されるとさらに多くの人が押し寄せた。

「ワオ!」っていう技術の展示がない

ただホンダは例外。パナソニックやソニー、三菱電機、シャープのブースにも来場者は訪れているが大注目というほどの盛況さはない。

「日本のソニーやパナソニックには韓国のサムスンやLGみたいな『ワオ!』っていう技術の展示がないよね」――。

地元・ネバダ州出身のベテラン記者はそう言ってかぶりを振った。たしかに目玉となる新商品の展示が少なく、ど派手な演出もない。一方、韓国のLG電子やサムスン電子のブースでは、頭上に巨大なディスプレーが掲げられ、大きな音でアップテンポの音楽が鳴り響く。

とくにCESの主要会場、セントラルホールの入り口にあるLGのブースでは、新たに発表した透過型の有機ELディスプレーが常時前後に移動しアピール。多くの人が撮影のために足を止めていた。

中国の大手家電メーカーも派手さでは負けていない。ハイセンスは110インチと巨大なミニLEDのテレビを中心に、開発中の高性能プロジェクターなど、新製品を並べた。液晶大手のTCLも巨大なディスプレーを展示し、映像のきれいさ・薄さ・大きさを誇示している。

日本の電機メーカーのブースは、こうした中国・韓国メーカーのブースと対照的な構成だ。

新製品はほとんどなく、ストーリー重視

パナソニックのブースは全体が白い布で囲われており、照明もやや暗い。BGMもなく、全体的に静かで落ち着いた印象だった。

複数区切られたブースの入り口では、まず環境への取り組みに関するプレゼンテーションと説明を受ける。ここでは、水素や次世代の太陽電池「ペロブスカイト」についてなど、エネルギー関連の説明が中心だ。

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