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独学で東大合格した声優の勉強法は「はしご酒」? 勉強場所や科目のホッピングが生む意外な効能とは

東洋経済オンライン / 2024年1月14日 6時50分

学習意欲を落とさず、効率もあがる勉強術を解説します(写真:佐々木望/インスパイア)

多くの作品で活躍する声優として多忙な毎日を送りながら、46歳のときに独学で東京大学文科一類に合格を果たした佐々木望氏。仕事と勉強の過酷な両立のなかで成功をつかみ取った秘訣は「ワクワクした気持ち」の持続にあるといいます。そんな佐々木氏が、つまずきがちな受験勉強を乗り越えるために実践した、「学習効果をあげると同時にやる気を持続させる」意外な気分転換の方法を紹介します。

※本稿は佐々木氏の新著『声優、東大に行く 仕事をしながら独学で合格した2年間の勉強術』から一部抜粋・再構成したものです。

「快適な場所」こそ勉強のための貴重な資源

勉強は、快適にできるかどうかがとても重要です。

快適にできると長期間でも続けていけます。

快適さが勉強のエネルギー源になります。

カフェ、図書館、電車のなかなど、人それぞれに集中しやすい環境がありますよね。

自宅でも、書斎や勉強部屋に限らず、お風呂のなかだったり、ソファの上だったり、ダイニングテーブルだったり、夜にベッドに入ってからだったり。

快適な空間から得られるエネルギー、そのおかげで保てる気力や体力は、手間やお金に勝るとも劣らないほどの貴重な資源だと考えています。

科目や内容に応じて勉強場所を変えてみるのも気分転換になります。

私はよく、カフェで勉強しました。カフェにいると、人が見えるし、景色が見えるし、時間経過につれて人や物が動いたり移り変わったりするのも見えます。

そういう周りの動きや変化が、いま自分が頭に入れようとしている歴史上の出来事や地理的事象と合わさって記憶されて、あとで思い出すときにトリガーのように働いたことがありました。

江戸時代に幕政の改革(「享保の改革」)を主導したのは徳川吉宗で、その項目を読んでいるとカフェのスタッフさんが隣のテーブルを片付け始めて、改革には新田開発も重視されていて、スタッフさんは吉宗には似ていないけれど(徳川吉宗の絵が本に載っていたのです)、仮に吉宗さんという名前だとしてこのテーブルを新田だとしたらテーブルの片付けは新田の開発になるのかな(さすがにこじつけがすぎる)と思ったりして、ああこのBGMはアイズレー・ブラザーズの「This Old Heart of Mine」(1960年代のポップス曲)だこれ超好きな曲、改革は1700年代の初めの方で(1716‐1746)、壁の時計を見たら18時40分だったので17時16分じゃないのかおしい、などと思って、でも享保の改革はだいたい夕方5時半くらいだねと勝手に納得してコーヒーを口に運び、「おお、そうだ。倹約させて年貢も増やさなければな」(このときはなぜか突然に自分が吉宗になっている)とひとりごちる。

「享保の改革」のワードから記憶の連鎖が

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