1年で7割が入れ替わる「コンビニ」ヒット商品の裏 2024年のトレンドは?プロ直伝の商品棚の見方
東洋経済オンライン / 2024年1月14日 12時30分
コンビニエンスストア(以下、コンビニ)は、もはや私たちの生活に不可欠な存在。日々新しい商品が生まれる一方で、あっという間に消えていく商品もあります。2024年はいったいどのような商品が生まれるのか。また、そんななか、長年残っていくロングセラー商品にはどんな法則があるのか。
コンビニの棚を見るのが楽しくなる、コンビニの秘密や裏側を流通アナリストの渡辺広明さんに聞きました。
コンビニ1店舗に商品は何点くらいある?
日本フランチャイズチェーン協会によると、日本全国のコンビニ店舗数は5万7000軒を超え(2023年3月末現在)、年間売上高は11兆円を超える。
うち、セブン-イレブンが約2万1000店舗、ファミリーマートが約1万6000店舗、ローソンが約1万4000店舗と大手3社でコンビニ全体の9割を占めている。
「コンビニ1店舗につき、商品は常時約3000点あり、1週間におよそ100点の新商品が発売されている。1年間で店舗内の7割以上の商品が入れ替わっている」と言うのは、コンビニで商品開発に20年以上携わり、今も年数回コンビニでアルバイトをするという流通アナリストの渡辺広明さんだ。今まで手がけた商品開発は780件にのぼる。
「入れ替わらず生き残っているものの代表的なものは、カップヌードルやコカ・コーラなどナショナルブランド(NB)の超定番商品。ツナマヨおにぎりなども定番ではあるが、随時リニューアルしているので、そういう意味では変化している」(渡辺さん)
実はコンビニの8〜9割が全国統一の商品。渡辺さん曰く、「全国からのニーズがないと、コンビニの店頭には残れない」のだ。
一般的に中規模のスーパーマーケットは、1店舗につき1万点〜1万5000点ほどの商品があるといわれている。そのため、売り場も広く、定番商品も多い。それに比べ、コンビニは売り場も狭く、商品点数も3000点程度と考えると、売れるものできっちり作り込んでいかなければならない。そうすると、必然的に商品の入れ替わりが速くなっていくのだ。
売れ筋は”限定品”
コンビニの売れ筋は、ジャンルを問わず限定商品だという。
「今はPOSシステム(販売時点情報管理)を通じてすべて数字で管理されている。発売から1〜2週間で、売れないものの判断がつく。どの商品も基本売り切りが前提。売れたら継続となる」(渡辺さん)
ただ、コンビニで販売している限定商品の多くは、季節のフルーツを使ったものなどシーズン性のある商品。販売数が決まっているため、売れすぎると予定より早く販売数に達し、多くの人の目に触れないまま販売終了を迎えるものも少なくない。
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