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1年で7割が入れ替わる「コンビニ」ヒット商品の裏 2024年のトレンドは?プロ直伝の商品棚の見方

東洋経済オンライン / 2024年1月14日 12時30分

売れなくても消えるし、売れすぎても消えていく。なんと刹那的な商品が多いことか。一個人が「おいしかったからまた食べたい」「今後も販売してほしい」と思ってもそれが叶わない。

「いくら売れている店舗や一人が残してほしいと思っても、(先述したように)全国からのニーズではないと、生き残れない。また、コンビニは店舗数が多いので、原材料の確保のハードルが高い。

たとえば、(約1300店舗の)モスバーガーで和牛バーガーを作ることができても、コンビニでは店舗数が多すぎて和牛を全店舗分確保することは難しいということが起きる」(渡辺さん)と言う。

とはいえ、「今は多様化の時代。コンビニも多様化を目指しているし、ロングセラー商品を作りたいと思っている」と渡辺さんは言う。

そこで近年増えているのが「地域限定」だ。

「今、エリア密着、地域密着が機運として高まっている。セブン-イレブンでは埼玉県産の小麦を使ったチルド麺などを埼玉県内だけで販売したり、三浦産スイカを使った杏仁豆腐を神奈川県内限定で展開したり。地域限定なら原材料を確保できるし、独自性を出せる」(渡辺さん)

全国統一の品揃えでありながら、多様化したトレンドに合わせてコンビニも変化している最中だ。

PBに置き換わらないもの

「もともと、コンビニには新しいものを求めて人々が訪れていた。2000年ごろまでは、ジュースも、お菓子も、新商品の発売はコンビニからだった。

当時は今ほどインターネットが普及していなかったので、主な情報源は雑誌だった。週刊誌がコンビニに並び、みんな新しい情報、トレンドを買いにコンビニを訪れた」と、渡辺さんは四半世紀前のコンビニについて分析する。

「それが今のコンビニは、シニアの日常づかいの場所となった。商品もプライベートブランド(PB)が増えている。飲料やアイスクリームなど、ナショナルブランド(NB)を手がけるメーカーが作るプライベートブランド(NPB)も多い」(渡辺さん)

PBが増える理由は、収益率の高さにも関係がある。

「コンビニ業界の売り上げの約4分の1は、実はタバコによるもの。タバコの値上げにより、売り上げが増えても、タバコ自体の利益率は11%程度と高くない。通常の商品の利益率は約35%前後、PBは約50%前後。だから、利益率の高いPBを増やしたい」(渡辺さん)意向があるのだ。

ただ、多様化にシフトチェンジをすると言いつつ、PBが増えるとどのチェーンも、店舗も、さらに同じように見えてくる。

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