1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

冬に流行「ノロ感染」意外と知らない"予防の正解" 生ガキに「あたる人」「あたらない人」何が違う?

東洋経済オンライン / 2024年1月14日 8時0分

「調理の現場では、嘔吐や腹痛といった症状があったら必ず調理から外れ、症状がなくなってからもウイルスを排出している可能性があるので、1週間程度は調理しないのが原則。ところが、②の場合は気づかないで調理をし、感染を広げてしまうということがあるのです」(平井さん)

ただし、人(あるいは人が触ったもの)から人へうつるルートは、手洗いで予防することができる。では、どんな手洗いが有効なのか。

手洗いについては新型コロナ対策で定着したが、コロナとノロの両者には性質上、決定的な違いがある。これを知っていないと、感染予防が十分ではなくなってしまう。

「新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスは、ウイルスの表面が『エンベロープ』という脂溶性の膜で覆われています。このため、せっけんやハンドソープなどの界面活性剤で膜を壊せば、ウイルスを無毒化できます」(平井さん)

一方、ノロウイルスはどうか。

「エンベロープで覆われていないため、界面活性剤では無毒化できません。このため、付着したウイルスを水で十分に洗い流すことが重要になります。推奨されているのが“2回洗い”で、せっけんでよく洗い流したら、もう一度繰り返します。ノロウイルスは粒子が非常に細かく、爪の間などにも入り込むので、指先や爪の間までしっかり洗ってください」(平井さん)

せっけんはノロウイルスを無毒化できないが、手の汚れを落とすときにウイルスも一緒に落ちてくれる。なお、コロナの感染対策で普及したアルコール消毒は、ノロウイルスには十分な効果が期待できないという。

アルコールより次亜塩素酸ナトリウム

調理器具や調理台、ドアノブなどに付着したノロウイルスにも、アルコール消毒は効果が期待できない。

「代わりに効果を発揮するのが次亜塩素酸ナトリウム、つまり塩素系の消毒液です。家庭用の塩素系漂白剤には次亜塩素酸ナトリウムが含まれています。漂白剤の表示に従って水で薄めて使用します。金属が腐食するなどの弊害があるので、漂白剤で拭いたあとは、10分ぐらい後に水で拭き取ってください」(平井さん)

感染者のふん便や嘔吐物が付着した床や壁も、次亜塩素酸ナトリウムでしっかり拭き取ることが重要だ。衣類やシーツなどのリネン類は、ビニール袋などに入れて次亜塩素酸ナトリウムに浸したあと、洗い流すとよい。

「そして、もう1つ効果的な消毒法がある」と平井さん。「それは加熱です。ノロウイルスは熱によって無毒化しますので、85~90℃で90秒程度加熱します。食器や調理器具はこの方法で消毒できます」。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください