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冬に流行「ノロ感染」意外と知らない"予防の正解" 生ガキに「あたる人」「あたらない人」何が違う?

東洋経済オンライン / 2024年1月14日 8時0分

カキなどの二枚貝に付着しているノロウイルスも、加熱すれば無毒化できる。要注意なのは、加熱不足や調理器具などへの二次汚染だ。

カキ鍋のように煮込めばいいが、カキフライのような揚げ物の場合、中心部が十分に加熱できていないことがありうる。また、カキを下処理する際に調理従事者の手やまな板などの調理器具にノロウイルスが付着することも考えられる。

カキを加熱調理する際は中心部まで加熱すること、前述した方法でカキに触れた調理器具は消毒し、手はしっかり洗うことが大事だ。約20gのカキを揚げる場合、170℃の油で約3.5分間が目安だという(「加熱調理の科学的情報の解析及び画像の開発報告書」内閣府食品安全委員会)。

生ガキにあたる人とあたらない人の違い

ノロウイルスであたるリスクがあるとわかっていても、食べたくなるのが生ガキ。どのくらいの確率で生ガキにノロウイルスが潜んでいるのか。

「データにばらつきがありますが、480検体のうち35%がノロウイルスを保有していたという報告もあれば、89検体のうち87%が保有していたという報告もあります。いずれにしても、生ガキを食べるときにはノロウイルスのことも頭の片隅において、大事な予定がある前には食べないなどの対策をおすすめします」(平井さん)

同じ皿の生ガキを食べてもあたる人・あたらない人がいる。この違いはどこからくるのか。平井さんは、「ほかの感染症と同様に免疫系に関わります。同じ人でも体調が悪く免疫力が低下していれば、感染、あるいは発症しやすいと考えられます」と説明する。

一般的に、ノロウイルスの感染から発症までは24~48時間といわれ、1~2日で自然に治ることが多い。しかし、高齢者や乳幼児は症状が長引いたり、重症化したりする危険があるため、平井さんは受診をすすめる。

一方、健康な人は必ずしも受診する必要はないが、急な嘔吐など、ノロウイルスの感染が疑われるような症状があったら、感染を広げないように自分以外の人のために調理をしない、手洗いをしっかりする、触れたものは消毒するなど対策を徹底しよう。

(取材・文/中寺暁子)

女子栄養大学短期大学部 食物栄養学科教授 
平井昭彦獣医師

1980年、麻布大学獣医学部卒。東京都衛生局、東京都立衛生研究所(研究開発・技術者)、東京都健康安全研究センター微生物部(研究開発・技術者)、相模女子大学短期大学部食物栄養学科教授、2022年から現職。獣医師、衛生検査技師、博士(学術)。

東洋経済オンライン医療取材チーム:記者・ライター

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