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人事が知らない「適所適材」「適材適所」の決定的差 社員1人ひとりの志向を把握するのが重要

東洋経済オンライン / 2024年1月15日 20時0分

短期的に見ると、異動をさせないほうが個々のパフォーマンスは上がります。やったことのない仕事をすれば、当然パフォーマンスは下がりますよね。そういう意味では、異動を少なくしたほうが短期的には個人の成果や会社の生産性は向上しやすくなりますが、中長期で見たらどうなのかということもよくよく考えとおかないといけません。

50人100人の会社であっても、いずれ経営を担える人材がいたりするものです。そういう人は異動を繰り返し、視野や経験の幅や広げたほうが将来のためになるでしょう。一方、その部署で専門性を高めていったほうが、本人のためにも、会社のためにも良い場合があります。人事はそういうところもよく見て、配置を考えていかなくてはなりません。

社員1人ひとりの希望を聞いても、必ずしも全員の願いを実現できるわけではありません。しかし、10%の社員でも願いが叶い、その人が「異動を希望したら本当に叶っちゃった!」と社内で話したら、会社の雰囲気はガラッと変わります。「会社って社員のことをちゃんと見てくれているんだ」と、会社に対する印象も変わります。

自己申告は「必ずしも叶うわけじゃありませんよ」という前提で書いてもらうものですが、本当に叶った人が10%でも15%でもいたら、社内の世論が変わるのです。そういう意味でも、本人の願いをできるだけ叶えることが重要なのです。

本人の希望と上司の話の両面を聞くことも大切

異動希望と評価を結びつけて「評価が高い人ほど異動希望を出すと実現する」という実例を示していくのも良いでしょう。評価が高い人は現場が手放したがりませんが、「本人が希望しているので異動させないと辞めちゃうかもしれませんよ」と上長や、そのまた上の上長を説得して異動を実現できれば、社内全体のモチベーション向上も期待できます。

評価が低い社員も、上司との相性があるかもしれません。本人の希望と上司の話、両面を聞くことも大切です。上司の部下に対する異動希望と残留希望を把握できるような仕組みをつくることもおすすめします。社員数が少ない会社なら、1人ひとりにヒアリングすることも可能です。人事担当者は、そういう活動をちゃんとしていきましょう。

人事は、社員1人ひとりの志向を把握して「人」に関する情報が集まるようにすることが肝要です。申告情報や評価情報はもちろん、できるだけ各部署をうろうろして、それぞれの上司に「最近どうですか?」と折に触れて聞いていく。それもまた人事の大切な仕事です。普段の顔色や周囲の評判もキャッチして、人材配置に活かしていきましょう。

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アルファポリスビジネス編集部

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