解明できればノーベル賞?宇宙で一番「熱い話」 東大教授たちも注目するダークエネルギーとは
東洋経済オンライン / 2024年1月15日 18時0分
宇宙でもそれが起きていて、我々から遠い銀河を観測すると、我々から常に遠ざかっています。しかも遠ざかる速度が、遠い銀河ほど、比例して速く遠ざかっている。宇宙が膨張していると考えると、それが合理的に説明できるんです。
これを、1930年代にエドウィン・ハッブルという天文学者が発見しました。そして、宇宙で遠くを見るということは、過去を見るということです(例:いま私たちが見ている太陽は8分前の姿である、など)。
ですから、遠くの銀河や近くの銀河など色々な距離のものを測ると、昔の宇宙の膨張の速度がわかるんです。すると、宇宙の膨張が時間とともにどう変わってきたのかもわかります。これまでは減速していたのに最近は加速に転じているということも、それでわかった。
中須賀真一(以下、中須賀):最初からずっと加速していたわけじゃなくて、一度、減速したというのがすごいですよね。
戸谷:それが謎なんです。すごく不自然なんです。宇宙が始まって138億年ですが、ちょうど我々が住んでいるこの時代に、アインシュタインの導入した宇宙定数が効果を持ち始めて、減速から加速に転じている。
瀧口:宇宙にとっての大切な時期に、たまたま私たちが生きているということですか。
戸谷:たまたま運がいいのか……。宇宙の長い歴史の中で、減速から加速に転じているところに我々が住み合わせる必然性はまったくないんですよ。もっと昔に起きてもいいし、もっと将来でもいい。
中須賀:それは観測方式を今の我々が見つけたからわかった、ということではないんですか。現象としてそうなっているということですか。
戸谷:これを見つけられたのは近年の天文学の発展のおかげですが、それとは別の話で、減速から加速に転じるちょうど宇宙史的な境目の時代(宇宙誕生から100億年程度)に我々が住んでいる、という意味です。それが物理現象として不自然なんです。
アインシュタインの凄さと、その限界
加藤:これ、今の時代にアインシュタインがいたら、解いてくれる可能性はあるんですかね。
戸谷:実は、アインシュタインが生きていた頃から減速から加速に転じているんです。ただ、アインシュタインの時代は観測技術がなかったから、それがわからなかったんです。
加藤:そういう話を聞いていると、アインシュタインは本当に天才だったんだなと思います。だって、観測技術がない時代にアインシュタインが考えたもので、今の物理法則のほとんどを説明できるわけですよね。
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