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起業を夢見る家族がChatGPTを使い号泣した理由 AIに代替できない人間の「創造性」を問い直す

東洋経済オンライン / 2024年1月17日 17時0分

また、AIに問いかける方法や、そのフィードバックをどのように受け取り整理するかは、その結果の質を大きく左右する要因となります。そのベースにあるマインドセットの部分も同様です。

AI活用では「人間の」状態ケアが重要

あまり議論されていませんが、問いかける側の状態が重要なのと同様に、AIを活用するときも、自身の状態のケアが重要です。

なかでも、AIを使った情報操作や、ユーザーの心理状態に影響を及ぼすリスクは大きな懸念となっています。実際に、私たちの周りでも、生成AIによって誤った方向へと導かれる事例や、それによる悲劇が報じられています。

例えば2023年の春ごろにはAIによって描かれたネガティブな未来像に絶望し、命を絶ってしまった方のニュースが報じられました。自身のメンタルコンディションが悪い中で活用すると、一気に悪いほうにAIが促してしまう危険性があるのです。

一方で、生成AIにはポジティブな側面ももちろんたくさんあります。先日アメリカの同僚から次のような話を聞きました。彼の妹は、仕事をする傍ら起業を夢見ているのですが、彼と一緒にChatGPTを活用して、一夜で40ページに及ぶビジネスプランを作り出すことができたそうです。

そして、作り終えたとき、妹は泣き出したといいます。その理由は「誰かに助けてほしいと困ったようなときに、もう二度と孤独になる必要がない。忙しい兄を邪魔してしまう罪悪感を覚える必要もない」ということでした。

AIは気軽な「相談相手」

おそらく生成AIはたくさんの人にこのような安心を届けることもできているのではないでしょうか。「問いかける」ことには大抵、相手というものがいて、その相手への気遣いや遠慮もつきものです。それが今、誰もがパソコンでもスマホでも簡単に問いかけられる相談相手を得ることができたのです。これ自体は人間にとって望ましいことなのではないでしょうか。

生成AIという技術は、今後も私たちの生活に深く関わってくるでしょう。そして時には私たちの感覚の倍加装置となることもあります。そのため、この技術をどのように活用し、どのようにコントロールしていくかは、私たち全員にとっての大きな課題だということができます。

野々村 健一:デザイン・コンサルタント

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