「英語圏に移住して働きたい」彼女が見落とす視点 英語ができるのは常識、その上でどう考える?
東洋経済オンライン / 2024年1月17日 12時25分
要は英語を使って何をするか、が重要であり、英語ができること自体は大きな付加価値ではない、ということです。
英語ができないことは当たり前ではなく、マイナス評価になりうるというレベルです。
ましてやこの先は生成AIなどの普及により、ますます英語オンリーで食べていくことは難しくなるでしょう。
英語プラスアルファのスキルが必須なのは世界共通である、とご認識ください。
英語ができるのは常識
そのうえで申し上げますと、英語圏で、という話であれば、もはや英語ができないと生活もできないし、国によってはビザすら下りない、働き口はおろか部屋も借りられない、という状況ですから、できて当たり前のレベルを超えて、もはや常識、となります。
ですから、よりプラスアルファの部分における付加価値が重要なのです。
日本人で海外のMBAに行く方やその卒業生を見ると、かつては企業派遣などで英語が若干怪しい人材が行く、というようなケースも散見されましたが、近年は英語はネイティブばりにできて当たり前、という人材が大半です(むしろ日本以外の国では、昔からそれが当たり前であり、普通なのですが……)。
そして卒業後はそのまま現地で、現地人やほかのインターナショナルな人材と交じって働く、というケースが非常に増えてきているようです。
まさに英語は話せて当たり前だといえるでしょう。そのうえでMBAでは、経営人材としてのポテンシャルや経験、スキルを伸ばしていきます。
つまり海外で働くには、英語ができないと話にならず、そのうえで「あなたは何ができますか?」「あなたの付加価値は何ですか?」が問われる、ということです。
そしてその付加価値をどこに求めるか、については冒頭で申し上げた、どの国や地域で、そういった生活を送りたいのか、を考える必要があります。
例えば、会計や法律といっても会計士や弁護士として専門職レベルで仕事をすることを想定しているのか、一事務員で想定しているのかや、勤務先を日系を前提とするか、現地企業を前提とするかなどによって、どのスキルをどこまで突き詰めるかは異なります。
さらにいうと国や地域によってそもそも日系という選択肢があるのか否か、という問題もあります。
INさんの現状を鑑みると、おそらくですが、まったくの現地企業にいきなり飛び込み、現地のみで完結する仕事を最初から探すというのは非常に難しいと言わざるをえないでしょう。
やはり日本との何かしらのつながり、それは日系企業であったり、または日本企業や日本人を相手に(少なくとも業務の一部で)商売をしている企業を前提とするのがよいかと思います。
「これだけやれば安心」というものはない
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