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親の言うこと聞く子ほど「成績が下がる」ジレンマ 真面目に授業に出ているのになぜ伸びないのか

東洋経済オンライン / 2024年1月18日 11時40分

ですから、「大人から答えをほしがる『良い子』」ではなく、「自分で答えを出す子」こそ、育てていく必要があるのだと思います。「親が言うから」「先生が言うから」と思考停止になるのではなく、自分で考えて行動する生徒を育成することのほうが求められるのではないでしょうか?

しかし、それにもかかわらず、子供の数が減っている今、子供はどんどん「良い子」になっていると思います。子供の数が少ないからこそ、子供に関わる大人が多く、「答え」を教えたり、子供に期待したり、良い子であることを求めてしまうのです。

最近は教育熱心な親御さん・教育熱の高い親御さんも多いです。ですが、教育に対して熱心な親御さんを持つ子供ほど、結果が出なくなってしまうこともあります。それはきっと、親御さんが求める「結果」を、子供が過敏に感じ取ってしまい、本当の学力という意味での「結果」と乖離してしまうからなのだと思います。

みなさんは「賢馬ハンス」の話をご存じですか? 昔ドイツで、計算ができる馬が現れました。ハンスという名前の馬は、「2+3は?」「5-1は?」などと聞くと、蹄鉄を一定の回数叩いて答えるのです。「2+3」と聞かれると5回、「5-1」と聞かれると4回叩いて、多くの人を驚かせました。

しかし実は、この馬は計算力があるわけではありませんでした。実は周りの人の呼吸や表情を読み取って、例えば5回叩いたときに「お!」という表情をしていた人が多かったら5回で叩くのをやめていただけだったのです。

これと同じことが、現在、日本の子供たちにも起こっているといえます。これは有名な中学受験の塾の先生に聞いたことなのですが、最近小学生の中に、隣の子に採点をしてもらうときに「赤ペンで丸付けしないでくれない? あとで書き直すから」と頼む子が多いと言います。

どうしてそんなことをするのかと聞くと、「あとから親が見るときに、点数が悪いと怒られるんだ」と答えるのだとか。

つまりは「良い子」でありたいから、ということですね。親が求める「結果」・親が求める「答え」を得るために、仮初の「結果」を出すことをしてしまっているわけです。

試験前に模擬試験の問題入手が横行

また、あまり知られていませんが、「模試のネタバレ」というのも存在します。西日本新聞の「進研模試、ネット売買横行 全国で40万人受検 実施日のずれ悪用」の記事にもあるように、模擬試験の問題を試験前に入手し、いい点を取ろうとする不正行為が後を断ちません。

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