1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「微分は実生活で使わない」と思う人に欠けた視点 現役東大生が解説する数学の重要性と面白さ

東洋経済オンライン / 2024年1月18日 12時10分

ではこの時速はいったいどのように測られているのでしょうか。実はここに、皆さんが一度は聞いたことがあるであろう「微分・積分」という数学の単元が役立っているのです。

「微分・積分」とは、微積分学として知られる数学という学問の中の1つです。日本の現行の教育制度において、高校数学の数学Ⅱから数学Ⅲにかけて学習する単元になっています。微分・積分は関数の挙動や変化を理解し、数学的に記述するための重要なツールとして重宝されています。

微分とは、関数の「変化率」を表す操作のことです。ある関数の微分を計算することにより、その関数がどれだけの急さで上昇または下降しているかを示すことができます。微分は接線の傾きや速度、加速度などの物理的な概念を記述するために使用されています。

それに対して積分は、関数の面積または累積を計算する操作のことです。関数が表す領域の面積や、関数値の合計などを求めることができます。積分は、物体が移動した距離を求めたり、あるものの面積や体積を計算したりために使用されています。

堅苦しい言葉での説明にはなってしまいましたが、これを聞くと、冒頭で出題した問題に微分・積分が使われていることがある程度納得できたのではないでしょうか。微分・積分の基本的な概念を確認したうえで、あらためて「時速」について考えてみましょう。

時速30kmとは、言葉のとおりに考えると「1時間で30km進める速さ」ということです。冒頭でも計算しましたが、1分に直すと「÷60」をして0.5km、つまり500mですね。よって、この「時速30km」を、「分速500m(1分間で500m進める速さ)」と言い換えることができます。

「時速30km」を測定する方法

この「時速30km」っていったいどのように測っているのでしょうか?

1時間運転し続けて30kmの道のりを進んだ場合、その間の時速は当たり前に30km/hとなります。しかし、数分の運転でも速度計に時速は表示されますよね? ましてや、1時間運転をし続ける間でも直線で加速したり、カーブで減速したり、渋滞や信号待ちで停止したりなど、運転の状況に応じて時速は目まぐるしく変化します。では、その速度を測るためには一体どうすれば良いのか。ここで「微分」が登場するのです。

先ほど、時速を分速に直しました。その際には「÷60」という計算をしましたね。これをさらに「÷60」すると、1分は60秒であるため、秒速を出すことができます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください