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生成AI時代に注目される「古代ギリシャの美徳」 リスクを避けAIを正しく使う「人類の英知」

東洋経済オンライン / 2024年1月18日 9時0分

3つ目の徳は節制(Temperance)である。プラトンは拙速な判断を戒め、思慮深さをもたらすものとしてこれを最も重要な徳目だと述べている。

生成AIの凄さを目の当たりにすると、個人的な願望や純粋な知的好奇心、効果などに目がくらんで判断が鈍りやすい。生成AIを利用する時には、常に自分自身の偏見と限界を認識し、透明性・公平性を鑑みながら生成結果がもたらす影響は何かを考え、使う/使わないかを判断する慎みを持たなければならないのだ。

そして最後の徳目が正義(Justice)である。公平さと道徳心を含むもので、生成AIの利用によって差別や偏見を助長することがないよう意識し、最善の方法を探求し続けなければならない。こうした一人ひとりの取り組みがよりよい社会の実現につながるのである。生成AIという「利器」を決して「凶器」にしてはならない。一人ひとりの正義感が、今まさに求められている。

古代ギリシャの哲学者たちが唱えた美徳は、生成AIの時代においてもなお有効であり、不変である。生成AIの利用者が「思慮」「勇気」「節制」「正義」をもってさまざまなリスクを乗り越え、正しい道に進むことを願ってやまない。

保科 学世:アクセンチュア株式会社 執行役員 データ&AIグループ日本統括

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