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「路線はJRだけ」のレアな県、宮崎ご当地鉄道事情 プロ野球キャンプで人気、実は「JR最短」路線も

東洋経済オンライン / 2024年1月18日 6時30分

宮崎駅は県都のターミナル。県庁所在地の駅ながら、実に小ぶりな駅舎だ(撮影:鼠入昌史)

宮崎は、天孫降臨の地である。神代の昔、葦原中国を治めるために天照大神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が高千穂に降り立った。……といっても、もちろん『日本書紀』『古事記』にある神話の時代の物語だ。

【写真を見る】かつては新婚旅行、現在はプロ野球キャンプの定番。宮崎県内にはいったいどんな鉄道路線が走っているのか。“リニア実験線”や高千穂線(高千穂鉄道)の廃線跡も。

宮崎には海幸彦・山幸彦の伝説だったり、神武東征伝説だったり、神話がいくつも残っている。

宮崎県内を通る鉄道路線は…?

つまり、神話の世界では日本という国のはじまりを考えるにあたって、日向国、宮崎県は欠くことのできない土地である、というわけだ。が、こと鉄道という面に限ると、宮崎県内を通っている鉄道は実質的に4路線しかない。それもすべてJR九州が運営している。

ケーブルカーなどを含めて複数の鉄軌道事業者が存在しない都道府県は、全国でも宮崎県と沖縄県だけである。

まずは、どのようにして宮崎県に入るのか。それを考えることからはじめよう。

宮崎県内と県外を結ぶ主役は日豊本線、すなわち小倉から九州東部を縦断し、鹿児島湾を回り込んで鹿児島までを結ぶ九州屈指の大動脈だ。かつては東京からブルートレイン「富士」が走るなど、全国的な鉄道ネットワークを支えた路線でもあった。

そんな大動脈が宮崎県内を貫いている。北からは大分との県境にある宗太郎峠を越えて、日向灘沿いをひたすら南進。途中には、延岡や日向市、都農、高鍋、佐土原などの駅がある。

余談になるが、都農町付近では海側にリニア実験線の高架跡が並行している。

県内の主要都市を通る日豊本線

県都の宮崎駅を過ぎると内陸に進路を変えて、県内第2の都市である都城を経て鹿児島県に入る。すなわち、宮崎県の主要都市を連絡する、県内交通の軸を成す路線である。

特急「富士」は2009年に廃止され、九州外に出る在来線列車は一本も走っていない。ただ、九州内においては広域輸送の担い手としての役割はいまも健在だ。それを象徴するのが、特急「にちりんシーガイア」。博多―宮崎・宮崎空港間、現時点で日本で一番長距離を走る在来線昼行特急である。

ただし、特急「にちりんシーガイア」は1日に1往復だけのレア特急。かわりに、大分―宮崎間の「にちりん」が2時間に1本ペースで走り、都市間輸送を担っている。鹿児島方面も宮崎―鹿児島中央間を結ぶ特急「きりしま」が、こちらも2時間に1本ペース。つまり、日豊本線は全区間で特急が走っているというわけだ。だから、鉄道で他県から宮崎県に入るとき、だいたいは日豊本線を使うことになる。

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