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岸田首相がまさかの「宏池会解散」宣言の舞台裏 安倍、二階両派巻き込み「死なばもろとも」と決断か

東洋経済オンライン / 2024年1月19日 16時0分

記者団の取材に応じる岸田首相(写真:共同)

「巨額裏金事件」をめぐる東京地検特捜部による複数の安倍派議員や安倍、二階、岸田3派の会計責任者らの立件に先立ち、岸田文雄首相(自民党総裁)が18日、自らが派閥会長を務めてきた「岸田派(宏池会)」の解散を宣言したことで、自民党が大揺れとなっている。

岸田首相には、「率先垂範の形で自派閥の解散を宣言することで国民の信頼をつなぎ止め、政権危機脱出の足掛かりにしたい」(岸田派幹部)との狙いがあることは明らか。地検捜査の“標的”となっている安倍、二階両派も巻き込むことで「いわば、死なばもろとも」という捨て身の戦略ともみえる。

ただ、捜査対象から外れている麻生、茂木、森山の各派からは「藪から棒に何を言い出すのか」「派閥解散などありえない」などと反発・批判の声が相次ぐ。特に、麻生、茂木両派は岸田首相の政権運営の拠り所だけに、今後の展開次第では両派による“岸田降ろし”につながりかねず、「文字通りの危険な賭け」(自民長老)となりそうだ。

想定外の「岸田派立件」が決断を後押し

岸田首相は18日午後7時過ぎ、首相官邸で記者団の取材に対し、岸田派の今後の在り方について「解散することを検討している。政治の信頼回復に資するものであるならば、考えなければならない」と、なぜか余裕の笑顔も交えて語った。

一連の裏金事件は、自民党派閥の政治資金パーティーでの収入不記載などが捜査対象となったものだ。ただ、朝日新聞が18日朝刊で「岸田派の元会計責任者も立件対象」と一面トップで報道、他メディアも一斉に後追いしたことが、「岸田首相の派閥解散宣言のきっかけとなった」(岸田派関係者)とされる。

というのも、政界では「岸田派の立件」は想定外だったため、「自民党刷新本部」の本部長として、派閥の在り方などの「政治改革」に取り組む岸田首相が「火だるまになりかねない事態」(岸田派幹部)となったからだ。

思わぬ暗転に岸田首相は18日午前の官邸入りの際、岸田派の政治資金収支報告書への不記載額が3000万円に迫るとの疑惑について、「事務処理上の疎漏」「事務的なミスの積み重ねであると報告を受けている」などと素っ気ない受け答えを繰り返し、同派事務局もはその後、収支報告書を訂正するとともに、「当時の会計担当者の転記ミスや会計知識の過誤によって生じた」などとするコメントを出しただけだった。

この対応について、野党側は「即退陣表明が当たり前」(立憲民主幹部)などと猛批判。自民党内からも「あまりに無責任」「これまで長期間、派閥の会長だったので、知らないはずがない」などの批判が相次いだ。

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