レゴランド炎上、冷静に見て何がマズかったのか 「初動対応」を見誤ってしまう企業側の盲点
東洋経済オンライン / 2024年1月19日 19時40分
現場で問題が発生した際に、「偉い人」が前に出てきて対応することで、問題が収まることは非常に多い。筆者自身も、若手の頃にミスを犯して取引先や他部署の担当者を怒らせてしまうことが何度かあったが、先輩や上司が間に入って説明や謝罪をすることで、事態を穏便に収めることができた。
経験やノウハウによって適切な対応ができるのはもちろんだが、相手側に「偉い人が出てきて真摯に丁寧に対応してくれているのだから……」という心証を与えることができる点が大きい。
SNSを起点とする炎上の多くは下記のプロセスで起こる。
1. SNSで批判が発生する
2. 批判がSNS上で拡散する
3. ネットメディア・まとめサイト・インフルエンサーなどが取り上げる
4. マスメディアで報道される
5. SNS上でさらに炎上する
1、2の段階で「鎮火」できれば、炎上に至らず、大きな問題とされることもない。レゴランドのケースは、まさにこの段階で社長自ら対応を行ったわけだから、鎮火できるチャンスは十分にあったと言えるだろう。うまくやれば、「神対応」として称賛される可能性さえあったかもしれない。
では、何が悪かったのだろうか?
批判されるに至った2つのポイント
レゴランド・ジャパン社長の対応で批判されているポイントは下記の2点である。
1. DMのメッセージの内容が謝罪として不適切なものであったこと
2. DMのメッセージのスクリーンショットを公開したこと(現在は削除)
筆者としては、1よりも2の影響のほうが大きかったように思う。
社長からのメッセージ内容(現在は削除されて公開されていないが)に関しては、「問題提起、ありがとうございます」といった書き出しが不快だと物議を醸したりしたが、言葉尻をとらえたような批判も多いように感じた。
ただし本来、このメッセージは当事者間のもので、その内容の是非については、当該の来場者の方が判断すべきものだった。要するに、すべては「相手がどう感じるか」次第であるということだ。それを一般にも公開することで、第三者の論評が入り込む結果となってしまった。
もちろん、メッセージを公開した背景には、企業側の対応姿勢を示したいといったことや、社長がX上でコメントしていたように「自分が送った内容をクリアにしたい」という意図もあったと思う。しかし、情報発信をすることで、これまで知らなかった人たちに対しても問題が起きていることを知らしめてしまうリスクもある。
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