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中古車グッドスピード「不正会計」の呆れた手口 売上先行計上への経営陣の関与を調査委が認定

東洋経済オンライン / 2024年1月20日 7時40分

グッドスピードでは、実際には納車未了の車両を納車として処理し、売上を先行計上する「納車テイ」と呼ばれる行為が横行していた(時事)

「GSグループにおける納車テイによる売上の先行計上は、長期間かつ広範囲で行われており、営業部門のみならず、他部署の役職員も含めて多数の役職員が納車テイに関与ないし認識をしていた」

【写真】調査報告書には、営業本部長(当時)が専務に、嘘納車(納車テイ)となる車両の台数等を報告するメールも

東海地方を地盤とする中古車販売大手・グッドスピード(以下GS社)が、2019年4月の新規上場以前から不正会計を行っていたことがわかった。2023年9月、監査法人から過去の決算に関して不適切な会計処理の疑義があると指摘された同社は、第三者委員会を設置して調査を行っていた。

冒頭の文言は、1月4日に公表された第三者委員会の調査報告書に記載された1文である。

売上の先行計上が横行

調査報告書には、2017年10月からの約6年間にグループで、計5951件の「売上の先行計上」が行われていたこと、その詳細な手口が記されている。

GS社は車両販売において、顧客への納車を基準に売上計上している。しかし、実際には“納車未了”の車両を“納車”したとして社内処理し、売上計上する「納車テイ」と称される行為が横行していた。

納車テイは営業本部の指示で行われるもののほか、各販売店の判断によって行われるケースもあった。また、バイク事業を担う子会社のチャンピオン76(以下CH社)でも、納車テイが行われていたという。

営業本部主導の納車テイでは、隠蔽工作も行われていた。

例えば、監査法人による車両在庫の棚卸作業の際、事前に販売店近くの駐車場に納車テイの車両を移動させ、立会監査の終了後に車両を店舗に戻す行為があった。車両の移動作業には、「販売店のスタッフだけでなく、GS社の本社従業員(経理部の従業員等)も動員されていた」。

GS社の不正で特徴的なのは、調査委が経営陣の主導を認めている点だ。

経営陣が不正を主導、組織全体に蔓延

調査委は、創業者でもある加藤久統・代表取締役社長(調査報告書ではA1氏)について、「具体的な指示をしていたという事実は認められず」としているものの、「報告を受け、これを容認していたものと考えられる」と書く。

ナンバー2である横地真吾・専務取締役(同A2氏)については「GS社において納車テイによる売上の先行計上を主導して行ってきた」のであり、平松健太・取締役兼流通本部長及び元営業本部長(同A3氏)は、「専らA2氏の指示に従って、売上の先行計上のための納車テイに係る処理を営業部長その他の部下に指示していた」と指摘する。

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