「餃子の王将」20カ月連続売り上げ更新の理由 「個店の味からチェーンの味へ」変貌を遂げた
東洋経済オンライン / 2024年1月21日 11時50分
餃子は同社メニューの中でももっとも売り上げが大きい看板商品で、日に約200万個が売れるという。なお、同社の一番のこだわりが鮮度。冷凍はせず、毎日、その日に作った餃子が各店舗にチルド配送されている。
同社の餃子の大きな特徴は、にんにくたっぷりで、ガツンとした味わい。皮はどちらかと言えばもちもち系で、食べ応えがある。にんにくは名産地の青森産とのことで、ひときわ香りが豊かに感じられるのはそのためかもしれない。
渡邊氏の肝煎りで、焼き餃子に並ぶ、新たな看板商品も開発したという。
「忘れられない中華そば」(748円)だ。
あっさりとした魚介スープながら、コクがある。チャーシュー、メンマ、なるとが添えられた昔ながらのシンプルなラーメンなのだが、よく見るとチャーシューが炭火焼きで贅沢さを感じさせる。
「ここしばらく、豚骨スープの濃厚なラーメンのトレンドが続いていた。当社の定番も豚骨スープだ。しかし1955年生まれの私にとって、青春時代と切り離せない『ラーメン』と言えばしょうゆ出汁のシンプルなラーメンだ。40〜60代であればそう感じる人は多いだろう。なおかつ、『ネオ昭和』流行の時代、若い人にもおいしく感じられる味を目指した」(渡邊氏)
この「昔懐かしさ」でミドル世代、若者両者に訴求を狙ったラーメン、2023年4月1日から全国で販売スタートし、11月末時点で累計300万杯を売り上げた。
業績としては、2024年3月期第2四半期の売上高が497億4400万円。第2四半期として2年連続で過去最高売り上げであるほか、同月比過去最高売り上げを20カ月連続で更新している。
人が企業の価値を作るという理念
「ここまでには10年かかった」と渡邊氏。2013年、射殺された前社長の大東隆行氏を引き継いで社長に就任した。当時(2014年3月期)の売上高は762億円であったが、当期(2024年3月期)の売上高は1000億円を超える見込みであるという。
「人が企業の価値を作る」という考えのもと、「王将大学」と名づけたスキルアップ研修や調理技術を学ぶ「王将調理道場」などの人材育成、設備投資による労働環境の整備に取り組んできたという。店舗で手包みしていた餃子を、工場で生産するようになったのも、渡邊氏による改革だ。2016年には東松山工場を竣工。これにより、品質管理の徹底と生産性の向上を同時に行えるようになった。
とくに、調理の基礎から改めて研修し直し、調理法もマニュアル化したことによって、個店ごとの味わいの違いをある程度統一した。
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