1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「朝ごはんにフルーツ」が"食後血糖値"にNGな根拠 スムージーや、朝食抜きも避けたほうがいい

東洋経済オンライン / 2024年1月22日 7時20分

実は、タンパク質を摂るとGLP-1というホルモンが、脂質を摂るとGIPというホルモンが小腸から多く分泌される。これらのホルモンは血糖の上昇を抑える働きがあるため、血糖値がつねに安定した状態に保たれる。血糖の急激な降下や低血糖を生じないので、飢餓感に襲われることもなければ、食べすぎることもなくなる。

「GLP-1やGIPの作用は絶大で、昨今、話題になっている肥満症治療薬、糖尿病治療薬として注目されています。また、グレリンという食欲をもたらすホルモンの分泌も長く抑制されるので、お腹が空きにくくなります」(山田さん)

昼や夜の食べ方も基本的に朝と同様の考え方なのだが、食事会や飲み会などで料理を選べないこともあるだろう。その場合は、タンパク質を先に摂り、炭水化物、糖質は最後に摂る「カーボラスト」を意識することが大事だという。必ずしも「ベジファースト(野菜を先に食べること)」にしなくてもいい。

乾杯のお酒もOK。おかずやアルコールを炭水化物よりも先に口にすることで、前述のGLP-1やGIPの作用に加え、カーボラストの力で食後の血糖上昇を抑えられるという。

もう1つ、ビタミンやミネラルが豊富な果物を食べるときはどうしたらいいかというと、「朝ではなく、夕食時、食後にするとよいでしょう」と山田さんは助言する。これもカーボラストの考え方に通じる。

海外でも朝食で血糖値が改善

「タンパク質+脂質」を重視する食事に関しては、2019年に出たアメリカ糖尿病学会のガイドラインでも推奨されており、2015年に出たアメリカの食事摂取基準でも「油を控えることに健康上のメリットはない」としている。

カナダやオーストラリアでは、朝食に糖質を少なくして、タンパク質と脂質を増やしたメニューを提案するだけで血糖値が改善し、エネルギー摂取を少なくさせることに成功したという研究が出ているそうだ。

今年こそ無理なくダイエットをしたい、健康的になりたいと思っている人は、一度この食事法を検討してみてはどうだろうか。

(取材・文/山内リカ)

北里大学北里研究所病院副院長 糖尿病センター長
山田 悟医師

1994年、慶應義塾大学医学部卒業後、同大学内科学教室に入局。東京都済生会中央病院などの勤務を経て、2002年から北里研究所病院で勤務。現在は同院副院長、糖尿病センター長。診療に従事する傍ら、2型糖尿病についての臨床研究を進める。日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医

東洋経済オンライン医療取材チーム:記者・ライター

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください