今から日本株を買いたい人に勧める3つの投資法 この長期上昇相場はあと2年続くかもしれない
東洋経済オンライン / 2024年1月22日 9時30分
しかし、実はそのアメリカでもPBR1倍を割れていた時期があったのだ。有名な「株式の死」と言われた時期である。このときは上場企業の半分以上が1倍を割れていた。NY(ニューヨーク)ダウで言えば、筆者が証券業界に入った1970年頃の話だ。
NYダウは1972年に史上初めて1000ドルを超えたが、その後は翌1973年の1052ドルまでしか上がらず、1974年には再び1000ドルを割れた。そこから一時はなんと半値近くまで下げ、再び1000ドルを回復するのは1982年だったのである。この10年間はアメリカにとって、まさに株式の死だった。
その後は順調に上昇したが、NYダウが2000ドルを超すのは1988年まで待たなければならなかった。したがって、2000ドルを超えたときにはウォール街はお祭り騒ぎとなった。「ビヨンド2000」のレポートでこの相場を当てたアメリカのトレーダーは、日本テクニカルアナリスト協会の招聘で日本講演を行い、スター扱いとなったものだ。まさに米国株の大進撃が始まった瞬間でもあり、そのときの光景は今でもはっきり覚えている。
ここでお気づきと思うが、このころ日本はバブルの絶頂期で、日経平均はまさに4万円に向かっていた。そのときNYダウは2000ドルで喜んでいたことになる。
もちろん、構成銘柄がほとんど入れ替わっているので継続性に問題はあるが、NYダウは今や3万7863ドル(1月19日)と、約19倍になっている。もっとも、日経平均も1974年の有名なオイルショック後の安値「3355」(円)から見ると、3万6000円は約10.7倍となる。
当たり前だが、投資成果の良し悪しは相場次第だ。相場が悪ければ名人でもなかなか儲からない。だが、相場がよければ素人でも儲かる。筆者には日経平均33年ぶりの高値が、重要な節目だったNYダウの「ビヨンド2000」に重なって見えて仕方がないのだ。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
平野 憲一:ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト
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