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周りの意見を気にせず「発言できる会議」の進め方 途中退出禁止、携帯OFFの空間で起きたすごい事

東洋経済オンライン / 2024年1月23日 16時0分

目標が面白いのは、それを自分自身で立てると、なんとなく「それをやってやろう!」という気になってしまうところだ。

僕らがひとしきり紙に書き終わったのをみはからって、ハワードは1人ずつ発表させた。

途中、3人目のシャンティが発表しようとすると、ハワードは、「書いてから発表することのメリットはなんだ?」と聞いた。

シャンティは、「まとまること」と答えた。

ハワードは横のジェニファーにも聞いた。「ジェニファーはどう思う?」。

「発表に時間がかからないこと」とジェニファー。

そうして全員に答えを求めてから、「あともう1つメリットがある。それは書いている間は、他人の意見が見えないことだ」と言った。

ん? 確かにそうだ。1人ずつ書かずに口頭で発表していったら、2、3人目からは「僕もそうなんですけど……」といった意見が出ておかしくない。少なくとも他の人の意見に左右される可能性は否めない。

この説明のしかた、つまり普通だったら、「紙に書いてから言うと、人の意見が入らないメリットがあるので、紙に書いてから発表してください」とやるところを、まずやってもらってから(体験してその中に入ってもらう=紙に書く)、そのメリットに関して質問する(疑問が起こって、答えを探そうとする)。

深い洞察のアイデアを提供する(紙に書いているときは人の意見が見えない)。

この手順でやると、納得というか、落とし具合がとてもすとんと入る。

要約すると、下のようになる。

Aのやり方……〈洞察の提示〉→〈実体験〉
Bのやり方……〈実体験〉→〈質問〉→〈洞察の提示〉

Bのほうが手間はかかるが、納得度は高い。彼は、ことあるごとにこのやり方で、彼の洞察を僕らにインストールしていった。

全員が発表し終わると、ハワードは、

「各自、その期待が会議が終わった9時間後に手に入っていたほうがいいと思うのだが、では、この会議室の中でそこに書いた期待が手に入るかどうかは、誰がカギを握っているか?」

という質問を参加者に投げかけた。

「それは僕やアンディーや司会をやっているハワードだろう」と僕は思っていたのだが、シャンティは「自分自身です」と言いやがった。

僕は彼の答えに「?」と思ったのだが、そういう覚悟で会議に参加したほうが、たしかに成果は出やすいと思った。

会議が始まって最初の数十分の間になにが起こったかというと、

・経営の中心となるメンバーが緊張感を持ってそろった(ランチでなく) 
・人の意見を気にすることなく、それを発表するしくみを手に入れた
・参加させられている(特に僕)という感じから、「なにかやってやろう」という気分になった

それも、自分自身が一番それに貢献できるという感じで、後にコーチになって感じるのは、この3つは多くの経営者が望んでいて、それが思うほど手に入っていないのだが、なんと数十分でこれが手に入ってしまった。

大橋 禅太郎

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