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ブラザー・コーンさんが患った「男性乳がん」とは? 専門医「しこりがあったら乳腺外科を受診して」

東洋経済オンライン / 2024年1月23日 12時0分

男性でも患うことがある乳がんについて、詳しい医師に話を聞きました(写真:C-geo/PIXTA)

「いよいよ俺が68年間付き合って来た左胸とお別れします」

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音楽デュオ「バブルガム・ブラザーズ」のブラザー・コーンさん(68)が、自身のインスタグラムで乳がんの手術を受けることを明かした。

22日夜には、朝から始まった乳がんの「乳房切除術」は昼に無事に終わったと、インスタグラムで報告。医療関係者やファン、友人らに感謝の言葉をつづった。

男性の1000人に1人が罹患する病

ブラザー・コーンさんは昨年8月末、男性乳がんと診断されたことを公表し、バブルガム・ブラザーズ40周年ライブやレコーディングなどの予定を中止して、治療に専念していた。

乳がんは女性がかかるものというイメージがあるが、実は違う。男性でも1000人に1人が罹患するといわれていて、遺伝性である可能性も高い病気としても知られている。

国立がん研究センターのがん情報サービス「がん統計」によると、2019年に乳がんと診断された人数は、男性が670人、女性は9万7142人、乳がんで亡くなった人数は男性が129人、女性が1万4650人だった。

同センターの希少がんセンターによると、男性乳がんは乳がん全体の約1%とされている。発症者が多いのは60~70代の高齢者で、自覚症状としては、胸や脇のしこり、乳頭からの出血、乳頭部のただれなどが挙げられている。

「四国がんセンターでは、年間の乳がんの患者登録数は350人前後。そのうち、男性乳がんの患者さんは1人か多くて2人ぐらいだった」と話すのは、約30年にわたって、四国がんセンター(愛媛県松山市)で3000人以上の乳がん患者の治療に携わってきた乳腺外科医の大住省三氏(現・松山市民病院顧問)だ。

乳がんは、乳房内の乳腺という組織から発生するが、実は女性だけでなく、男性にもある。そして、男性乳がんの場合は、診断がついた時点でやや進行していることが少なくないという。

様子を見ているうちに大きく

大住医師は言う。

「乳腺の量は女性と比べて圧倒的に少ないですから、しこりがあれば、自分で触ればすぐわかる。しかし、それが“乳がんかもしれない”と思う人は少ないので、様子を見ているうちに大きくなってしまうことが多いのではないか。乳がん検診が男性にはないのも理由でしょう」

1月20日に配信された「Yahoo!ニュース オリジナル Voice」のインタビューによると、ブラザー・コーンさんもシャワーを浴びて体を洗っているときに「左の乳首の横にごりっとするような感じのもの」があり、大学病院を受診して発覚したという。

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