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賛否両論・笠原さん「レシピに頼る」人に伝えたい事 顆粒出汁を使ってもいい「もっとラクに」考えて

東洋経済オンライン / 2024年1月24日 12時15分

新しい年、改めて和食の良さを見直してみませんか(写真:freeangle/PIXTA)

予約の取れない和食店として有名な「賛否両論」店主・笠原将弘さん。幼少期のふだんの食卓からプロの料理人として働く今にいたるまで、半世紀に渡り、「和食」と向き合ってきました。

50歳の節目に、「和食」への想いを綴ったエッセイ『今さらだけど、「和食」をイチから考えてみた。』より一部抜粋し、3回に渡って掲載します。新しい年、改めて和食の良さを見直してみませんか。

和食って、なんだろう?

そもそも和食ってなんだろうか。

【写真で見る】笠原さんが伝授、どんな料理にも変幻自在「鶏むね肉」

ぱっとひとことで言うのが難しいのだが、その土地の食材を、素材の味を活かしてシンプルに料理したものではないか。本来なら、すごくお手軽に作れるものだと思っている。

ところが、どうも「和食」と聞くと、難しいもの、手間がかかるものと捉える若い世代が多いような気がしてならない。子育て中のお母さんや、主婦の方々もまた然り。

それは、和食と言うと、懐石料理や割烹料理のように、立派な雰囲気の店や料亭で、記念日やお祝いなど特別な日に食べるものをイメージしてしまうからではないか。

でも、本来は、日本人にとっての毎日の食事、庶民の味、普通の人が普通に家で食べるごはんが和食だったはずだ。

毎日3食の家ごはんを作る際に、きちんと分量を計る人は、そうはいないはず。適当にささっと作るのが、ふだんのごはんだろう。

それこそが、僕たち日本人が食べてきた和食だと思っている。

ずっと和食と向き合っている料理人の僕ですら、そのくらいのぼんやりした定義しか言えない。でも、それでいいのではないか。

要は、和食は〝いつものごはん〞ということだ。

レシピに頼りすぎていないか?

これまで、たくさん料理本を出している僕が言うのはおかしな感じがするが、材料、分量、手順が教科書のようにきちんと記されているレシピを、その通りに作ろうとするのは悪いことではない。まずはレシピ通りに作ってみるのもいいだろう。

でも、そうやって作ったごはんは、いつも食べているごはんとはかけ離れているというか……幻想だという気もする。

というのは、うちの祖母が味噌汁を作るとき、お茶碗に入れた水を人数分、鍋に入れていたからだ。ふだんの食事作りなのだから、そのぐらい大雑把で十分だった。

僕は料理教室でもたまに教えているのだが、レシピに「5ミリ幅で切る」と書かれていると、きっちりその通りに切ろうとする方がいらっしゃる。そんなふうにレシピにとらわれすぎるのはよくない。

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