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「料理の脇役から主役へ」スープストック躍進の訳 食の欧米化に伴い、汁もの文化にスープが加わる

東洋経済オンライン / 2024年1月24日 11時30分

社長に就任した2016年は、それまでの運営会社(スマイルズ)から分社した年でもある。同年に定めた企業理念が「世の中の体温をあげる」だった。身体だけでなく心の体温も含まれるが、筆者は “体温をあげる”は企業活動の軸足だと感じている。この軸足がグラグラすると活動が乱れて、強みが生かせない飛び地事業に進出したりするからだ。

利用客は圧倒的に女性が多い

年の瀬の12月30日、「スープストック桜新町店」(東京都世田谷区)に足を運んだ。9月15日にオープンした新店舗で、東急田園都市線・桜新町駅前にある。

注文したのは「スープとスープのセット」(税込み1100円)。スモールカップのスープ2つ+サイドメニューで、スープは「オマール海老のビスク」「東京ボルシチ」を、サイドメニューは石窯パンを選んだ。

「約200あるメニューの中から、店舗ではお勧め商品として12~15品を選んで提供。3分の2がスープで3分の1がカレーですが、定番スープの人気ベスト3は、①オマール海老のビスク、②東京ボルシチ、③とうもろこしとさつま芋のスープとなっています」(松尾社長)

あまり広くない店内には女性客が多い。開業時から「女性が1人で入れるファストフード」をコンセプトにしたが、顧客層は圧倒的に女性が多い。

ちなみに定期的に利用する人は、こんな話をしていた。

「お腹はすいたけど、ガッツリ食べたい気分でない時に月1ペースで利用します。スープなので食べやすく、メニューも頻繁に変わるため飽きません。夏には冷たいスープもありますし。でも最近はカレーの利用が多く、予算は1000円未満です」(30代の女性)

一方、1000円程度の食事で満腹になりたい人(男女)はあまり利用せず、「気になっているけど入ったことがない」(20代の女性)、「以前に1度だけ利用した」(50代の女性、同男性)という声もあった。長年消費者取材をしてきたが、女性=少食の時代ではない。スープのラージカップ+カレーを頼めばお腹は満たされるが、予算内に収まらないからだろう。

スープは脇役から主役に近い存在に

とはいえ、自宅で再現しようと思えば手のかかるスープを身近にした功績は大きい。最近行った別の飲食店取材では、こうした声があった。

「冬向けのメニューとして、スープとサンドイッチのセットを投入しました。選べるスープは2種類あり、“野菜とソーセージのポトフ”と“ずわいがにのビスク”ですが、注文が多いのはビスクです。当店の利用客は圧倒的に女性が多いですが、スープストックさんのイメージもあるのかな、と思っています」(事業責任者の男性役員)

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