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日本人の会話から「ことわざが消えている」深い訳 「いったい何のこと?」薄まる比喩の共通認識

東洋経済オンライン / 2024年1月25日 9時0分

問題/次の比喩の意味は何でしょう?

「関の山」
「青天井」
「糠喜び」
「虎の子」
「紅一点」
「朝飯前」                    (※答えは、記事の最後に)

若い人たちには、このような日本語の奥深さや多種多彩な言葉の妙にも、ぜひ触れていただきたいもの。

せっかく日本人に生まれたのです。

私たちの財産とも言うべき日本語の世界を自らせばめるのは、いかにももったいないことです。

そのためにも、年配者は豊かな日本語を若者にたくさん伝え残してほしいと願いますし、そして若い人たちも、意味がわからないときは忘れないうちに調べるという習慣を、ぜひ身に付けてくれたなら、と思います。

比喩のイメージを頭の中でビジュアル化

よくわからない比喩を持ち出されて、相手の言ったことが一瞬わからないときは、どうしたらよいか。

それは想像力を働かせて、比喩のイメージを頭の中でビジュアル化してみるといいのです。

場面の「絵」が浮かんだら、意味もおおよその見当がつきます。

たとえば、傲慢さや自信過剰を戒める「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉。

豊作の稲田で実った米の穂が謙虚にうつむいているイメージが浮かびませんか。

そのように身を律しなさい、という教えが伝わってくる感じです。

また、非常に危険きわまりないことをするという意味の「虎の尾を踏む」。

自分の足でそれをつい踏んでしまったら、と想像するだけで震えがきそうでしょ。

それでは、前出のクイズの答えを見ていきましょう。

「~のような」「3文字比喩」クイズの解答

【~のような/理解力クイズの答え】

「〇が豆鉄砲を食ったような」 〇←鳩

突然の出来事に驚いて、あっけにとられている。びっくりして目を丸くしている

「〇につままれたような」 〇←狐

何が何だかわけがわからなくなって、ぽかんとする様子。「つままれる」は「ばかされる」の意

「借りてきた〇のような」 〇←猫

ふだんはそうではないのに、いつもと違って大変おとなしくしているさま

「蛇に睨まれた〇のような」 〇←蛙

恐ろしさに身がすくんでしまい、何もできない。とうてい立ち向かえそうもない相手に、まるで力を出せないでいるさま

「〇がのたくったような」 〇←ミミズ

ミミズが土の上をうねり回った跡は、意味不明なくねくね線。そのような下手な文字という意

「陸に上がった〇のような」 〇←河童

周囲の状況などが変わったことにより、これまで発揮できていた能力が全然示せないさま。想像上の動物の河童は、頭上にある皿状のものに水が入っていないと無力になることから

「〇の首を取ったような」 〇←鬼

ものすごい手柄を立てたように得意になって喜ぶさま。またそうした者を、冷やかし気味でいうことも

【3文字比喩/理解力クイズの答え】

「関の山」

精いっぱいやってもここまで。やれる限度。できることの限界

「青天井」

物価や株価などが、無制限に上がること。青空は果てしなくどこまでも高いことから

「糠喜び」

あてがはずれてしまって、せっかく喜んだことが無駄になるさま

「虎の子」

大事にしまってある金品など、とても大切にして手放さないもの。虎は我が子を非常にかわいがり守ることから

「紅一点」

男性が大勢いる中で、女性がただ一人だけいること

「朝飯前」

非常にたやすいこと。朝起きて朝食までの間にできるほど容易な

山口 謠司:大東文化大学文学部教授

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