1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

子どもに合った勉強法「浅くか深くか」見抜くコツ 全体がわからないと「知識の洪水」でパニックに

東洋経済オンライン / 2024年1月25日 7時40分

(2)垂直型学習

この学習方法は、分野を絞り、深く掘り下げていく学び方です。実は学問は、もともとこのプロセスで出来上がっています。大学院の博士課程で書く論文はまさに、いかに狭く範囲を絞って狭く、深く掘り下げた研究をすることが求められます。筆者が東京大学の大学院博士課程にいたとき、教授から次のような話をされたことは今でも忘れることができません。

「修士論文は1冊の本の1ページを研究するイメージ。博士論文はその1ページの中の1文を研究するイメージ」

まさにこれが垂直型学習です。学問とはこのような形で研究していきます。

この学び方はシングルタスク型の人にはデフォルトで備わっている学び方です。そして1つのことを深く学んでいくと、その周辺分野を学ぶ必要が出てきます。そのようにして他分野に興味関心が広がっていくこともあります。

例えば、垂直型学習スタイルでは、歴史の勉強で例えれば、全時代の中で興味がある部分だけを学んでいきます。すると、そこから学びの範囲が徐々に広がって、全体を理解していくようになります。1ページ目から学ぶスタイルは適していません。

以上、2つの学び方についてお話ししましたが、学びの本質としては、垂直型がよいと思いますが、学校教育では幅広い分野を学ぶことが求められるため、水平型が基本となっています。

大人になると、時には水平型学びを、時には垂直型学びを、というように使いわけができるようになりますが、子どもの頃は、その子のタイプによって、デフォルト状態のままの学び方をしていくことが一般的です。

そこで、ご相談くださった松永さんのお子さんには、お子さんの特徴を活かしつつ、それぞれ次のようなアプローチをとってあげてください。

型ごとにアプローチの方法は異なる

マルチタスク型 小6のお子さん

(1)目次の全体像を見る。

(2)1つ終わったら目次の消し込み作業し、また1つ終わったらさらに消し込み作業をしていく。

(3)いつも、自分がどの部分をやっているのかを把握できるようにしておく。全体の中での自分のポジションを明確にしておきます。

(4)以上のような学びのプロセスにおいて、「面白い」と思う分野が出てきたら、そこだけを一時的に深く学びます。あくまでも「面白い」と思う分野です。深く学ぶ分野は少なくても構いません。例えば、先ほどの歴史でいえば、織田信長が面白いと思ったら、そこだけ、別の本や資料で深めていくようなイメージです。これは勉強というより、面白いからやっている状態です。この感覚で行うと、必然的に「考える」状態がやってきます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください