1カ月で5%痩せた高齢者「低栄養」が恐ろしい訳 半年で10%減も注意、BMIと併せてチェックを
東洋経済オンライン / 2024年1月27日 16時0分
人生100年時代に突入して、1人の人が生涯に「食べる」回数は人生50年、80年時代に比べて数万回増えました。その人生の終盤には栄養が足らない状態に気をつける必要があります。高齢者栄養ケアの第一人者が教える“長生きする食べ方”とは?
『100年栄養』より一部抜粋、再構成してお届けします。
「やせてきた」は筋力低下の危険サイン!?
中高年になったら何をどのくらい食べるといいでしょうか。とくにお伝えしたいのが、高齢者に特徴的な栄養の問題、「低栄養」による栄養障害についてです。
中年世代には食べすぎで「過栄養」の問題が目立ち、生活習慣病のリスクを心配する人が多いですが、その後、10年、20年経つと、慢性的な栄養不良の状態である「低栄養」を起こす人が増えていきます。
「低栄養」は痩せていてBMIがとても低くなっている状態ですが、高齢の人が低栄養になる原因には、さまざまな理由で「食べられない」ことが増えるだけでなく、食に対する誤解や、持病の影響があります。
さらに、高齢期になるにつれ体が弱くなったり(フレイルといいます)、その一端で筋力が衰えたり(サルコペニアといいます)することで、低栄養と相関して悪循環を起こす状態になりやすいことなども関係しています。
高齢期にはBMIだけでは判断できない、栄養不良を起こしているケースも増えます。
それは中年時代から体の構成成分の比率が変化し、筋肉量が減少し、体内の水分量も減り、脂肪が増え、筋肉がつきにくくなることで起こる「相対的な肥満」タイプ。体脂肪や内臓脂肪が多く、筋肉が少ない人です。
「筋力が衰えている状態」に肥満が重なったもので、「サルコペニア肥満」と呼ばれます。一見すると太っているようには見えない人もいます。
下半身の筋肉は、誰もが20代以降は減少するとされています。
20代から筋肉が減って、徐々に運動量も減れば、さらに筋肉が減ります。高齢期に入ると、追い打ちをかけるように加齢により筋肉が減ります。
中年時代より体重が減ると、思わず喜んでしまいそうですが、実は落ちたのは脂肪ではなく筋肉ということがよくあります。太ったまま高齢になった人は、「サルコペニア肥満」に移行しやすいのです。
「サルコペニア肥満」の人の栄養状態は「過栄養」で生活習慣病のリスクが高い中年と似ていて、生活習慣病のリスクも高い状態です。ただし高齢者の場合は、生活習慣病以上に、「脂肪が増えて、筋肉が落ちている」ことから、日常の活動に支障をきたし、さらなる筋力や運動機能の低下をまねき、要介護状態につながる原因となることのほうがより問題と考えられています。
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