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南仏のマクドナルドを「不法占拠」した彼の"望み" 貧困・治安悪化の街の騒動がフランスで話題に

東洋経済オンライン / 2024年1月27日 11時30分

今後は「レストランを改装して、より多くの文化イベントを開催できるスペースにしたい。地球環境にも配慮した農法などで育てられた食材を使って、健康的な食生活を促進したい」(カメルさん)とのこと。

「とにかく空っぽの冷蔵庫を満たして、子どもたちのお腹をいっぱいにして学校で学べるようにしたい。いつも空腹では学ぶ意欲もなくなります」

もう次のステップに移っている

最後に「この事業に関して、マクドナルド本社から何らかの反応はあったのか?」と聞いてみると、「ページはめくられた」という答えが返ってきた。それは「もう次のステップに移っている」という意味のフランス特有の言い回しだ。

かつて世界的巨大企業と闘った。だがそれはもはや敵ではない。彼が闘う相手はさらに大きなものになっている。たとえば「貧困」や「格差」、さらには「人々の自己中心的な心」などだ。

カメルさんを中心にして貧困地域でつづられる「Mのその後」のストーリーは、始まったばかり。「その後のその後」や「その後のその後のその後」にどんな展開が待っているのか楽しみでならない。

盛 真理子:海外書き人クラブ/フランス在住ライター

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