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「ビッグモーター不正」でSOMPOの役員が大量退陣 自己保身の体質が招いた保険金不正請求の隠蔽

東洋経済オンライン / 2024年1月27日 7時30分

2024年3月末で経営から完全に身を退くSOMPOホールディングスの櫻田謙悟会長兼グループCEO(撮影:梅谷秀司)

中古車販売大手ビッグモーター(BM)による保険金不正請求問題をめぐって、金融庁から業務改善命令を受けた、損害保険ジャパンと親会社のSOMPOホールディングス。両社は1月26日、不正請求の隠蔽やずさんな経営管理体制といった一連の経営責任を明確化するため、トップを交代する人事を発表した。

【写真】損保ジャパンの次期社長には、櫻田氏の側近だった石川耕治副社長が就く

損保ジャパンは、白川儀一社長が1月末で引責辞任。後任には、石川耕治副社長執行役員を充てる。SOMPOは、13年間にわたりグループの「ドン」として君臨してきた櫻田謙悟会長兼グループCEOが3月末で退任。事実上の引責辞任となり、経営から完全に身を引くという。グループCEOの後任にはSOMPOの奥村幹夫社長兼COOを充てる。

首脳陣だけでなく、BM不正問題で責任を問われているほかの役員についても、更迭などの処分は必至だ。記者会見では、処分について「検討している段階」(石川副社長)と述べるにとどめており、2月中にも最終案をまとめる。

厳しい処分が予想される役職員は、損保ジャパンの西澤敬二会長を筆頭に、飯豊聡副社長、中村茂樹監査役(前専務)、大倉岳・プライムアシスタンス社長(前保険金サービス企画部長)、中田益見・東京保険金サービス部長、渡邉健司・調査部長、重定祐輝常務(前営業企画部長)ら計9人。西澤氏を除く8人については、BMへの事故車の紹介を強引に再開することを決めた役員ミーティングの出席者だ。

「自らの評価を下げたくないという自己保身」

出席した大半の役員は「自らの評価を下げたくないという自己保身で、BMへの追加調査は不要としてみたり、真偽不明の他社情報で入庫再開に誘導してみたりといった言動に終始していた」(金融庁幹部)という。

損保ジャパン会長の西澤氏については、2022年4月に社長ポストを白川氏にバトンタッチしており、不正問題をめぐる責任は小さいとの見方がこれまで多かった。一方で、適正な損害の査定と保険金の支払いという損保の根幹業務を担う保険金サービス部門で、人員を大幅に削減する「抜本改革」を社長在任中に実施。もともと社内力学上弱い立場にあった同部門がさらに弱体化し、BMの不正請求を助長する土壌を生み出した責任がある、と金融庁は指摘する。

他方で、その西澤氏が社長在任中に頭を悩ませていたのが、ほかでもないグループCEOの櫻田氏だった。

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