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有料化も検討「SA/PAの駐車マス」巡る熱い議論 2024年問題に向けた高速道路の駐車マス対策

東洋経済オンライン / 2024年1月28日 11時50分

ただし、この料金の負担が個人のドライバーや中小の運送会社に課されれば、節約のために所定の場所に駐車しなかったり、休憩を諦めたりするケースも出るかもしれず、そのあたりのケアを含めた「実験」が必要であろう。

なお、この実証実験は今後、東北道の国見、安達太良、蓮田の各SA、山陽道の吉備、福山SA、中国道・美東SAでも実施が計画されている。

「後退駐車・前進発車」V字配置で駐車マス1.4倍

さらに、将来計画の一環として、スペース確保のために駐車場の立体化も盛り込まれている。これまでSA/PAでは設備投資がかさむなどの理由で、立体駐車場はほとんど設置されてこなかった。

数少ない例外は、海上の限られたスペースに駐車場を作らざるをえなかった東京湾アクアラインの海ほたるPAくらいだ。

こうした新規策だけでなく、実はこれまでも継続的に駐車マスは増やされ続けてきた。

例えば、「小型車マスと大型車マスの兼用化」がある。これは、平日と休日、昼間と夜間で乗用車と大型車の利用割合が異なるため、小型用・大型用が満車になった場合、どちらの車種でも停められるように、「兼用」をうたった駐車マスである。

そのほか、2021年度からSA/PAの遊休地や隣接地、あるいは路外の土地を活用した駐車マスの拡充などが行われてきたが、完全な解決には至っていない。

さらに、駐車スペースの確保のため、NEXCO西日本では山陽道・佐波川SA(上り)において、「後退駐車・前進発車」を基本とした、上から見て車両がV字配置となるような「V字駐車」を適用し、大型車マスを58台分から81台分へと、1.4倍に拡充する施策も行われている。

後退駐車にすると駐車車両前方が通路に面するため、通路に停めるとクルマの通路を塞ぐことになり停めづらくなるという通路(枠外)駐車防止対策にもなるし、また前進発車のため、発車しやすく接触事故の低減を図ることができるメリットもある。

2024年問題でSA/PA「原点回帰」を

駐車マスの議論は近年、テーマパーク化、観光目的化が著しいSA/PAの「本来の役割は何か」を突きつけているように思える。SA/PAの本来の目的は、もちろん「休憩するための施設」だ。

高速道路の長距離走行は疲労や眠気をもたらす。そこで、疲労や眠気を感じた場合に、体を(もちろんクルマも)休めるために設けられた施設である。いうまでもなく、ただ駐車スペースがあればよいわけではなく、付随的にトイレも必要だし、喉の渇きを潤すために飲料の自動販売機も必要だろう。

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