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「すごい会議」に学ぶ"社員をやる気にさせるコツ" ちょっとした工夫で雰囲気はがらりと変わる

東洋経済オンライン / 2024年1月30日 16時0分

「いままでに何が達成されたか……」。僕は書いた。

・150万ドルの資金を得た
・ベースとなる最初のアイデアは市場で高い評価を得た
・カギとなるメンバーが集まってる

いまだったらジョークで「電灯がついている」と付け加えるところだが、当時はそんな精神的余裕はなかった。

全員が手元に書き終わると、ハワードは順番に1つずつ読ませた。1つ読んでは次の人、といった具合なので、3〜4周まわることになる。自分の番がきて、もうすべて自分の書いたものは読んでしまった人は、「パス」していい。

この方法だと、1人の意見で全体の雰囲気が動くのではなく、みんなの意見が平均的に出てくるので、悪くない。それにもまして、「けっこうイケてるじゃん!」というのがたくさん出てくるので、雰囲気もよくなる。

これによって僕らは、

・経営の中心となるメンバーが緊張感を持ってそろった
・人の意見を気にすることなく、それを発表するしくみを手に入れた
・参加させられているという感じから、「なにかやってやろう」という気分
・前向きな雰囲気にする

を手に入れた。

「雰囲気をよくする」手法を得た

チームの運営や会議では、雰囲気がよいチームは成果を出しやすいし、そうでないところは難しい。

それは誰でもわかることなのだが、うまくいっていることを発表し合うという手法を使えば、「雰囲気をよくする」ことができるという手順を得たのも大きかった。

ここで、10分ほどバイオブレーク(生態休憩=トイレ休憩)をすることにした。ハワードは時計を指して「あの時計で11時30分に集合」と言った。

トイレに行ってから、いまだ微妙な緊張感とともに(別に残尿感というわけではないですが)会議室に戻った。

11時30分には全員が集まり、雑談をしていた。ハワードはなにも言わずに僕らのほうを見ている。僕らはハワードの視線に気がつき、彼に注目して雑談をストップした。

「OK。スタートできるか?(OK, can we start?)」。ハワードは僕らに質問をした。

この場に限らず、彼のコーチング・スタイルは、僕らの仕事は僕らにさせて、あとは質問をするといった具合だ。

会議をオンタイムでスタートするのは当たり前だが、司会者がいちいち「時間になったので、みなさん静かにしてください。では始めましょう」と言ったりしない。

彼のコーチングでは、時間どおりに会議がスタートできる状態(司会者に注目が集まっていて、次のステップがすぐ踏める)をつくるのは、参加者の仕事にしている。コーチは、①リクエスト、②それができる雰囲気づくり、③確認の質問をしているだけなのだ。

次は問題点や懸念を書いてください

僕らが会議をスタートする準備が完了している、すなわちほかの会話がストップし、会議の司会者に全員注目していることを確認した彼は、続けて言った。

「では次の質問は『会社全体そしてマネジメントチームとして直面しているチャレンジに関して、どんな問題点や懸念があるか。最も重要と思うことを2、3個書いてください」

――おう、これはたくさんある。

・資金が足りない
・現行の製品が売れていない
・次の製品のプランがない

……といった感じだった。

これも全員が紙に書き、3回りほどで全員が自分の感じていることをすべて発表することになった。

関連記事:「周りの意見を気にせず発言」できる会議の作り方

大橋 禅太郎

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