1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

今年の確定申告「株式投資する人」の重要変更点 上場株式の配当や譲渡所得のある人は要注意

東洋経済オンライン / 2024年1月31日 19時10分

令和5年分の確定申告の変更点、注意すべき点とは(写真:saki/PIXTA)

ここ数年で株取引を始めた方は、上場株式の配当や譲渡所得の申告も慣れてきた頃でしょうか。しかし今年、昨年と同じように申告すると、損をしてしまう可能性があります。課税方式の変更があるためです。

今回は、この重要な変更点について、『自分ですらすらできる確定申告の書き方 令和6年3月15日締切分』(KADOKAWA)から解説します。

「住民税の申告不要制度」がなくなった!

令和5年分の申告から、上場株式等の配当や譲渡所得などに係る課税方式について、所得税と住民税を一致させることになりました。

令和4年分までは、住民税の申告不要制度を利用して、所得税と住民税で異なる課税方式を選択することが可能でした。そのため、「所得税では配当所得を申告するが、住民税では配当所得を申告しない(申告不要)」という選択ができました。

しかし、令和5年分からは、所得税で「申告する」ならば、住民税でも「申告する」という選択をすることになります。

つまりこれは、所得税を申告すると、その内容がそのまま住民税の計算にも反映されるということです。

これによって何が起こるでしょうか?

人によっては、合計所得が増えるために、合計所得をもとに計算される国民健康保険料や後期高齢者の医療費の自己負担割合、保育料などが上がったり、本来は受けられたはずの節税に有利な控除が受けられなくなる可能性があります(下図参照)。

これらの影響も考慮したうえで、配当所得について「申告する」「申告しない」を選択する必要があります。

申告したほうが有利なケースとは?

ここまで述べた影響も考慮しつつも、一般的には、申告したほうが有利なケースも多いです。特に、次の2つのケースに当てはまる方は、申告することを検討してみましょう。

申告したほうが有利なケース① 課税所得695万円以下の人

配当所得の申告をするべきかどうか、自分の課税所得と対応させて検討できるようにしたのが、次の表です。

表の右側にあるように、配当収入からは20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)の税率で、すでに税金が引かれています(源泉徴収)。

この申告しなかったときの税率(20.315%)と申告したときの税率を比べてみましょう。

      ↓この表からわかるのは!

この表からわかるのは、課税所得が695万円以下のときは、申告するほうが有利ということです。そして、課税所得が695万円を超える場合は、申告したときの税率は20.473%となってしまうので、申告しないときの税率よりも高くなるということです。課税所得が695万円を超える方は、申告しないほうがよいでしょう。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください