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ウェンディーズ「外国人向けLセット」成功の理由 人気の「マッシュルームバーガー」を進化させた

東洋経済オンライン / 2024年1月31日 12時0分

しかしここまで業績としてはパッとしなかった。

成功と言える売り上げを得られたのが、第3弾の「ステーキハウスチーズバーガーダブル」とLポテト、Lペプシのセット。1650円という高価格だったが、想定を10%上回る実績で販売できた。

「高価格帯バーガーは需要がある」と確信した紫関氏。「ダブルバーガー、Lサイズポテト、Lペプシ」という条件を踏襲したうえで、まったく新しい商品として開発されたのがトリュフバーガーだったわけだ。

売れ行きのほどはどうなのだろうか。

マーケティング部部長の戸田祐介氏によると、ビーフ、チキンフィレを合わせて平均で1日に10セット。売り上げのよい店で日に20セットという実績だそう。これは、ステーキハウスのセットの約1.4倍の売れ行きで、想定を約8%上回るという。

「感触としては、想定より少しいい、という程度。しかし、発売後勢いが落ちていないところに期待が持てる」(戸田氏)

インバウンドだけでなく日本人にも支持され、しかも評価が持続しているとみられる。

実績を受け、12月7日から販売店舗を14店舗拡大し、拡大店舗については単品売りも開始。さらに2024年1月11日からは、シングルバーガー(単品で1300円、チキンフィレは1000円)の取り扱いも始めた。

大ヒットではないが、まずまずの成功と捉えているようだ。まずインバウンドにターゲットを絞り、思い切った高価格帯商品としたこと、海外でも日本でも評価の高い、マッシュルームメルトバーガーを下敷きに開発したことが成功要因だったのではないだろうか。

日常のランチや軽食に「グッドプライスセット」

上記、インバウンド向け商品が好調な同社ではこれに加え、日常のランチや軽食に利用できる「グッドプライスセット」を強化した二極化戦略を展開していくという。

2021年12月から全国販売されているグッドプライスセットは、ジュニアサイズのバーガーにポテト、ドリンクを組み合わせたセットで、560円からという手頃な価格が特徴だ。

「500円台だからといって安っぽく見えないよう、商品開発には苦労している」と戸田氏。ウェンディーズ・ファーストキッチンは63店舗と、3000店舗に迫るマクドナルドや1300店舗のモスバーガーに比べれば中規模のチェーン。「規模の経済」によりコストダウンするのが難しい。

オペレーションの工夫等でコストダウンを図るが、物価の高騰による原価率の上昇になかなか追いつけないのが現状だそうだ。

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