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日本人の「内向き思考」を批判する人への違和感 「限られた情報」で世界を語ってしまう危うさ

東洋経済オンライン / 2024年1月31日 11時20分

実際、どの国に行くにしても、いろんな方から「その国の治安は大丈夫ですか?」と聞かれることが多いのです。どこに行っても気をつけることはありますが、まったく治安が悪くない国・地域に行くときも聞かれるのは、それだけ日本の治安がよいからでしょう。

最近の円安傾向も、渡航を躊躇させる理由の1つになるし、この3〜4年間はコロナ禍も影響を与えていました。つまり、日本を出ない理由のほうが多いのです。そして、それだけ日本の居心地がよいのです。決して悪いことではありません。それだけ日本は素晴らしい国なのですから。

居心地がよすぎるとどうなる?

私が内向き思考と聞いて抱く違和感は、ネガティブに捉えられることが多いからです。むしろ、よい国に住んでいる結果という側面もあるから、ポジティブな事実に基づいていると考えています。

もちろん弊害はあるでしょう。居心地がよすぎることで外の世界に興味がなくなり、「世界に出て何かしてやろう!」という気概がなくなれば、言語やグローバルマインドセットなどの力が付きません。

居心地のよい日本にとどまっていては、おそらく世界から置いてきぼりを喰らいます。それはじわりとボディブローのように効いてきます。実際にそれは将来の話ではなく、すでにそんな状況は起こっています。

だから批判する気持ちも理解できないことはないのですが「内向き!内向き!」と嘆く人が何か嫌なのです。だって、そうなるのは理由があるのですから。嘆いたり批判する人たちに提案したいことは、多くの日本人が「外向きになりたい!」と思わせる環境や状況を作りましょうということです。

まずは自らが、楽しそうにチャレンジをするということではないでしょうか。誰だって苦しいことはしたくなくても、楽しそうなことはしてみたいですよね。「トム・ソーヤのペンキ塗り」のようなものです。嫌々やっていたら誰も手伝ってくれませんが、楽しそうにやっていたら、みんなが「僕にもやらせて」と言ったという話です。

日本人の内向き思考を嘆いている人たちの多くは、過去は知りませんが、今はそんな外向きなチャレンジをしていないように感じます。そうでない人もいるでしょうけど、「最近の若者は」と嘆く人の多くが、今は大したチャレンジをしてない年配者たちというのと同じです。

内向き批判の人こそチャレンジ

だからこそ老若男女にかかわらず、まずはできる人から、あるいはやりたい人から、外向きなチャレンジを楽しむことが少しずつ周りによい影響を与えるのではないでしょうか。

今週、私はインドネシアのジャカルタで仕事をしているのですが、サポートしてくれているのは日本の大学生2人です。彼らは大学を2年間休学して、こちらで事業を立ち上げるために来ているのですが、朝7時から夜11時まで働いて、そのたくましいことこといったら。彼らのどこにも「内向き」は感じません。

楽しそうにチャレンジする彼らと接していると、むしろ私自身が「俺ももっとがんばろう!」という刺激を受けます。そして、日本人もぜんぜん捨てたものではないと思うのです。

豊田 圭一:株式会社スパイスアップ・ジャパン代表取締役

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