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岡山の廃線「片上鉄道」代替バスは別ルートの事情 貨物の流れから人の流れへ交通路が再編された

東洋経済オンライン / 2024年1月31日 6時30分

今回は片鉄片上7時20分発の便に乗った。備前市の公式サイトでは、この路線は、2022年10月1日ダイヤ改正現在で、平日のみ6往復の運転と案内されている。

ところが共同運行相手の和気町の公式サイトでは、2021年5月1日改定として、1日4往復運転になっており、面食らった。ここは新しい方を信じ、かつ両方の時刻表に掲載されている7時20分発の便を利用して事なきを得ている。運賃は200円。定期券、回数券は双方で共通利用できる。

途中、2、3人の利用客を拾い、峠を越えて和気駅南に7時37分着。この先の周匝(すさい)方面へのバスは、JR和気駅の下をくぐる自由通路で反対に出た、北側の駅前広場から出る。鉄道時代、片上―柵原の直通列車であっても、和気でほぼ全員、入れ替わってしまったことを思い出す。

吉井川に沿って北上

和気駅―周匝間は「赤磐市広域路線バス」の赤磐・和気線が代替路線となっている。赤磐市は2005年に山陽町、赤坂町、熊山町、吉井町が合併して誕生した自治体だが、市役所はJR瀬戸駅に近い旧山陽町に置かれている。

片上鉄道の駅は、旧吉井町の備前福田、周匝の両駅が現在の市域にあっただけで、和気から備前塩田までの各駅は現在の和気町域に位置していた。赤磐市の人の流れは主に岡山市に向いており、宇野バスが結んでいる。

赤磐・和気線は、和気駅前―周匝上間に4.5往復、塩田出張所―周匝上間の区間便2往復の設定があり、うち周匝上行き2本、和気駅前行き3本と区間便は土曜運休。日曜、祝日は全便運休だ。

そのほか、周匝上6時30分発の佐伯庁舎(旧佐伯町役場、現在は和気町)行きがあり(土曜運休)、これが和気町営バス佐伯・熊山線と接続。JR熊山駅方面へ向かう。現在は大半が自家用車利用ではあろうけど、そういう方向への需要も存在する。

私は地下道を急ぎ通り抜け、7時50分発の周匝上行きに間に合った。これを逃すと次は13時発だ。10人乗りのワゴン車は途中、中学生の乗り降りなどが多少あったが、大半の区間は私だけを乗せて、吉井川沿いの国道374号を北上してゆく。運賃は、塩田出張所・塩田コミュニティハウスが境で、和気町内が200円、赤磐市内が150円で、市町境を越える場合は合算して350円になる。

塩田は和気町域だが、旧吉井町の中心地、周匝が近く、そちらとのつながりが深いとみられる。周匝にはロードサイド店なども集まる。片上鉄道にとっても主要駅の1つであった。2007年までは岡山県立備作高等学校もここにあり、鉄道・バス利用の通学もあったと思われるが、JR和気駅に近い、和気町の和気閑谷高等学校に統合された。

柵原へは直通するバス路線がない

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