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「作りたい女と食べたい女」描く日常が共感呼ぶ訳 同性カップル扱う「きのう何食べた?」との違い

東洋経済オンライン / 2024年2月1日 13時30分

作りたい女と食べたい女(写真:番組X公式より引用)

NHK夜ドラ『作りたい女と食べたい女』(NHK総合)の第2シーズンが1月29日より始まった(全20話)。

【写真】日常にあるささやかな幸せを描く「作りたい女と食べたい女」

ドラマは同名漫画が原作だ。2022年にはシーズン1(全10話)が放送され、料理を作ることと食べることが好きな女性2人の愛らしく心温まる日々とささやかな幸せが、多くの女性の共感を得ていた。シーズン2の放送開始で、ふたたび彼女たちと一緒に過ごせる時間への喜びの声がさっそくSNSにあふれている。

※以下、シーズン1のネタバレがあります。ご注意ください。

性的指向に向き合う過程を丁寧に描く

主人公は、料理が大好きだがひとり暮らしで少食のため、たくさん作りたいけど我慢していた野本ユキ(比嘉愛未)。ある日、同じマンションに住む、豪快な食べっぷりの女性・春日十々子(西野恵未)と知り合い、手料理を食べてもらうことで交流が始まる。

野本は料理をたくさん作ることが楽しく、春日がおいしそうに食べることに喜びを感じていたが、そんな日々を重ねていくうちに野本は春日と一緒に過ごす時間に幸せを感じ、彼女への思いが恋だと気づく。

それまで自身の性的指向について考えたこともなかった野本は、春日への感情に戸惑うが、それまでの人生を振り返ると、たしかに幼い頃から学生時代も含めて違和感はあった。

そして、自身が性的マイノリティである現実の前に戸惑い、葛藤するが、春日の優しさや会社の同僚の言葉に背中を押され、本当の自分の気持ちのまま生きていくことを受け入れる。

シーズン1ではここまでが描かれていた。

劇中では、とくにドラマチックな出来事が起きるわけではない。毎話ちょっとこだわった料理を野本が作り、春日はおいしそうにたくさん食べる。たまに一緒に買い物をしたり、週末にでかけたりするのが、2人にとってのイベントだ。

2人のキャラクターや生活は、アラサー社会人女性そのもの。明るくて周囲への気遣いができる優しい野本は、春日のことが気になりながら、彼女の迷惑になっていないかをいつも気にしつつ、距離を縮めていく。

根は正直で素直だが、周囲とのコミュニケーションがあまり上手ではなく無愛想に見えがちな春日は、ポツポツと野本の気遣いへのうれしさや感謝を口にしながら、しだいに野本の存在が生活の中にあるのが、自然になっていく。

そんな2人が楽しそうに料理を作って食べる日常の姿からは、多幸感があふれ出ている。その温かく微笑ましい様子は、視聴者にとっても日々の生活で疲弊した心を優しく包んでくれる。

「きのう何食べた?」との相違点

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