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京阪石山寺駅を紫一色に変えた「大河」への期待感 源氏物語ゆかりの地、石坂線の「小ターミナル」

東洋経済オンライン / 2024年2月1日 6時30分

大河ドラマで吉高由里子さんが演じる紫式部は、同寺で『源氏物語』の構想を練ったとされる。本堂には「源氏の間」と呼ぶ一角がある。内陣の硅灰石の上に座す本尊如意輪観世音菩薩は「日本で唯一の勅封秘仏」で、33年に1度、または天皇即位の翌年に開帳される。石山寺は花山法皇が再興したとされる西国三十三観音巡礼の第13番の札所でもある。

石山寺駅は1914年、大津電車軌道によって開業。1924年7月に同社が発行した『遊覧案内』によると、1913年3月1日に浜大津―膳所間が開通、1914年1月12日に石山駅前、2月15日に石山寺まで延伸した。また「電車は螢谷を以て終點とし、モーターボートを以て石山寺に連絡する。三井寺下から螢谷までの間、電車の旅行で車窓の外に湖畔の風光を賞した乗客は、こゝで自ら畫中の人となつて目差石山百歩の處に到着するのである」との記述がある。同書添付の路線図を見ると当時の駅名は蛍谷で、石山寺まで「電車連絡船」があったことがわかる。

大津電車軌道は1927年に太湖汽船と合併して琵琶湖鉄道汽船となった。その鉄道部門は1929年に京阪電気鉄道へ合併された。蛍谷は1937年に石山寺に改称。駅名は1950年に石山蛍谷へと変わり、1953年に石山寺に名称が戻っている。

駅全体を紫色に衣替え

現在の駅は3面2線の頭端式ホームで日中は無人の小さなターミナル。朝は滋賀県立石山高等学校に通学する生徒たちが降りてきてにぎわうほか、路線バスから電車に乗り換えて石山駅方面へ向かう通勤客も多いという。乗降人員は2022年時点で2237人(11月8日調査)と、大津線管区の27駅中、11位となっている。

京阪電車は大河ドラマの放送に合わせ、紫式部をイメージして駅全体を紫色に衣替え。駅の正面には土佐光起筆『紫式部図』をデザインした看板を設置した。

大津営業部営業課の中島喜久夫運輸係長は「大阪・京都・滋賀を結ぶ路線のネットワークで琵琶湖までお客さまを誘致するのが大津線。とくに土日は『光る君へ』の効果で、以前より石山寺への参拝利用が増えている印象がある。沿線に注目が集まることでたくさんの方にご乗車いただければ」と話す。

『光る君へ』の放送開始を受け、石坂線沿線はイベントが目白押しだ。1月29日、石山寺境内の明王院には、ドラマで使用した衣装や小道具を展示する「大河ドラマ館」、世尊院には平安時代の文化を楽しむことができる「恋するもののあはれ展」がオープンした。

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