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債務超過「タカキュー」が陥ったスーツ低迷の険路 コロナ禍で店舗数半減、ファンド傘下で再建へ

東洋経済オンライン / 2024年2月1日 7時30分

新宿に本店を構えるタカキューは、かつて紳士服で売上高日本一だった(編集部撮影)

ビジネススーツの「TAKA-Q」などを展開する紳士服チェーンのタカキュー。1月25日に官民ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC)による再生支援が決まったと発表した。

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同時に筆頭株主であるイオンとの提携も解消した。両社は1992年から資本業務提携を結び、タカキューはイオンの持分法適用会社としてショッピングセンターへの出店などを進めてきた。タカキューが保有するイオン株・17万7900株と、イオンが保有するタカキュー株・809万8000株の取り扱いは現在のところ未定としている。

タカキューは1950年設立で、日本一の売上高を誇ったこともある老舗紳士服チェーンだ。都会的なイメージを打ち出して人気を得て、イオンとの提携を機に郊外にも出店を増やしてきた。ここにきて、なぜ瀬戸際まで追い込まれたのか。

スポンサー探しに奔走

タカキューは2022年2月期に債務超過に転落、2024年2月末まで上場廃止猶予期間に入った。本来なら1年以内に債務超過を解消できなければ上場廃止となるところ、コロナ特例により2年間の猶予期間となっていた。

しかし2023年11月末時点で約18億円の債務超過となっており、「2024年2月末日時点では依然として債務超過の状態が続き、上記改善期間中には上場維持基準に適合できない見込み」(同社)となった。

私的整理の1つであるREVICの事業再生制度を使うことで、東証に再建計画が認められれば、東証が認める「適当な期間」に債務超過による上場廃止を免れることができる。

再建にあたり、みずほ銀行など金融機関から20億円の支援を受ける。うち約15億円は債権放棄、種類株の割り当てで約5億円を調達する。さらに新たなスポンサーとなるグロースパートナーズに種類株の割り当てで約5億円を調達し、債務超過解消を見込む。5月に増資が実行されたら、グロースパートナーズと銀行団が大株主となる。

タカキューは昨年8~9月にかけて約80社に向けて支援の打診を行い、うち16社との間で資料開示を含めた協議を進めていた。最終意向表明書を提出したのが、投資ファンド・事業再生コンサルなどを手がけるグロースパートナーズだった。

コロナで約8割の店舗が休業

競争激化やオフィスカジュアルの流れでスーツ需要の低迷が長らく続き、タカキューは2019年2月期に赤字に転落。不採算店の閉鎖を進める最中にコロナ禍が直撃し、大ダメージを負った。タカキューの店舗は、イオン系を中心に商業施設内が多い。コロナ禍では施設側の判断で休業するケースも多く、一時は最大で約8割の店舗が休業となった。売上高は大きく減少し、赤字幅は拡大した。

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