名古屋の建設会社が「低家賃物件」を扱う強い覚悟 2代目社長が母子世帯への住宅支援で描く先
東洋経済オンライン / 2024年2月2日 13時0分
日本のシングルマザーの数は120万人で、平均世帯収入は月25万円。相対的貧困率48%はOECD加盟国の中で最低レベルとなっている。この原因はシングルマザー家庭が陥る「負のスパイラル」だ。
離婚や別居、DVからの避難の際、家を探そうにも無職の女性に家を貸す大家さんはまずいない。家が決まらなければ行政の支援も受けられないし、保育園に子どもを預けられない。そうなると仕事が見つからず、仕事がなければ家を貸してもらえない。
離婚検討中のある女性は「夫からDVを受けて知人の家に避難しているが、銀行口座が夫名義のため貯金がない。夫に知られるので住所を書けず働く先も住まいも探せない」と嘆く。
また未婚のシングルマザーは「児童養護施設の出身で親に頼れず、子どもを一人で出産した。1歳の子どもとビジネスホテル暮らしをしているので、働いても貯金ができず仕事を辞めたら明日寝る場所がない」という。
国からの支援は、シングルマザーにとって厳しい条件となっている。住宅支援制度(住居確保給付金)は2年以内に就労実績がないといけないので、無職だった女性には適用されない。DVで友人や親族の家に逃げ込んだ女性は、その家庭の世帯収入がカウントされるため生活保護を受けられない。
相談者の半分は離婚成立前
岡本さんは2022年にNPO法人LivEQuality (リブクオリティ)HUBを立ち上げ、住まい探しに伴走したり、地域の他団体とも連携しながらシングルマザー家庭を見守る事業も開始した。2023年度の相談件数は131件。相談者のうち半分は離婚成立前で、10代から30代が半分近くを占める。
ある女性は、コロナ禍に夫のDVが悪化したため離婚を決意し伴走支援を受けて子どもと共に入居した。「家を見つけてもらったときはトンネルの向こうに光が見えたようでした」という。家と職場が決まったことで子どもを保育園に預けられ「LivEQualityと繋がり、力をもらっていなかったら今頃どうしていたか」と振り返る。
さらに住まい支援に特化した、子会社LivEQulality大家さんを設立。岡本さんはLivEQualityを通じて、3つのチャレンジを考えている。
「まずは住居の提供、次に住まいとつながりを一緒に届ける福祉。そして経済性を確保することで持続可能な事業として広げることができます。住居、福祉、経済は政府でいうと国交省、厚労省、経産省と縦割りになるのですが、この3つの領域を民間がつなぐチャレンジは、イノベーティブな取り組みと言えると思います」
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