三菱「パジェロ」パリダカで名実ともに看板車へ モータースポーツから三菱の技術発展を支えた
東洋経済オンライン / 2024年2月3日 11時40分
砂漠や泥濘(でいねい)地、山岳地帯など、さまざまなタイプの悪路を走破して競うクロスカントリーラリーの一種で、猛暑のなかを一日800km以上走ることもあることで、世界一過酷なオフロード競技として知られていた。日本でも、1990年代などにテレビ放映されるほどの人気を博し、「パリダカ」の愛称で親しまれていたので、当時を知る世代であれば、懐かしさを覚える人も多いだろう。
ダカールラリーでの栄光
そんなパリダカに出場し、数々の栄光を手中にしたのがパジェロだ。1983年の初出場時には、いきなり市販車無改造クラスでデビュー・ウィンを達成。1985年には、全クラスの最上位となる総合優勝を初めて飾り、高いオフロード走行性能を世界に示した。当時は、モータースポーツでの活躍が、市販車のセールスにも大きな影響を及ぼしていた時代だ。パリダカで大きな成果を出したパジェロは、初代モデルからセールス的にも成功を収め、一躍4WD車の人気モデルとなった。
ちなみに、パリダカは、その後、名称をダカールラリーに変更。開催地域の政情不安により、ルートがたびたび変更されたためだ。2020年からは、舞台を中東・サウジアラビアに移しており、当初のパリ・ダカールからは離れた場所での開催となっているが、ゴールとなるダカールの名は現在も使われており、伝統ある大会としていまだに世界中のファンを魅了している。
1991年に、9年ぶりのフルモデルチェンジを受けて登場したのが、2代目のパジェロだ。初代モデルから続くオフロードにおける高い悪路走破性をさらに向上させるとともに、より都会的雰囲気のフォルムを持つ本格オフロード4WD車として登場した。
主な特徴は、まず、ボディのバリエーションが豊富なこと。ホイールベースにはショートとロングがあり、通常ボディとオーバーフェンダーを持つワイドボディを設定。また、「メタルトップ」と、幌(ほろ)を装備しオープンカーの気分が味わえる「Jトップ」、「ミッドルーフ」と屋根後半がハイルーフとなる「キックアップルーフ」といった4つのボディタイプをラインナップ。これらにより、多様なニーズに対応させた。
一方、エンジンには、3.0L・V型6気筒ガソリン、2.5Lディーゼル・インタークーラーターボといった2タイプを用意。5MT(マニュアル・トランスミッション)のほか、4AT(オートマチック・トランスミッション)も設定し、ユーザーの快適性も追求した。
世界初のスーパーセレクト4WD
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