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三菱「パジェロ」パリダカで名実ともに看板車へ モータースポーツから三菱の技術発展を支えた

東洋経済オンライン / 2024年2月3日 11時40分

機能面の大きな特徴は、世界初の「スーパーセレクト4WD」を採用したことだ。つねに4輪駆動となるフルタイム4WDと、2輪駆動と4輪駆動を切り替えるパートタイム4WDの両方式の長所をあわせ持つのがこの機構だ。当時の4WD車は、2WDから4WDに切り換える際、車両を一旦停止する必要のあるモデルも多かった。

一方、スーパーセレクト4WDを搭載する2代目パジェロでは、速度が100km/h以下であれば、走行中でも2WDと4WDを切り替えることを可能とした。当時としては画期的なこの機構により、舗装路から悪路まで、さまざまな路面状況に即座に対応でき、利便性などが向上したのだ。さらに2代目には、このシステムのあらゆる走行モードに対応する「マルチモードABS」も搭載し、4輪すべてを最適に制御することを可能とした。

なお、1993年7月には新開発の3.5L・V型6気筒ガソリンエンジン搭載車と、2.8Lディーゼル・インタークーラーターボエンジン搭載車を追加。エンジンのタイプも4種類から選べるようになった。

さらに1997年5月には、ワイドフェンダーを持つパジェロワイドシリーズに、ブリスターフェンダーを採用。ブリスターフェンダーとは、まるでボディから膨れあがったように出っ張った形状のフェンダーのこと。より幅広いタイヤを装着できるほか、存在感あるフォルムを演出できるなどのメリットがあり、当時のスポーツカーなどにも採用されたデザインだ。また、ガソリンエンジンには、新開発の3.5L・V型6気筒GDIを搭載し、高効率化も図っている。

ちなみに三菱は、2代目パジェロも前述のダカールラリーへ投入し、やはり大きな戦績を残している。1992年、1993年、1997年、1998年に総合優勝を獲得、それ以外の年でも表彰台の常連として君臨する。とくに1997年には、篠塚建次郎氏が日本人ドライバーとして初の総合優勝を獲得し、国内でも大きな話題となった。

なお、三菱は、この年9月に、ダカールラリーのレギュレーション変更に対応するため、「パジェロ エボリューション」というモデルを投入した。高性能エンジン3.5L・MIVECを搭載し、ボディは高剛性化と軽量化、オーバーフェンダーによる拡幅などを実施。加えて、4輪独立サスペンションを採用するなどで、オフロードでの走破性とオンロードでの快適性を両立したことが特徴だ。

成功と派生モデル

こうしたダカールラリーをはじめとする世界的なオフロード競技での活躍もあり、2代目パジェロは、歴代モデルのなかでも、最もセールス的に成功したモデルだったといえる。当時は、これも先述したとおり、RVブームの真っ直中。RVとは、「レクリエーショナル・ビークル」の略で、現在のSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)とほぼ同じような意味で使われていた。とくに当時は、オフロードを本格的に走ることができる4WD車の人気が高く、2代目パジェロはまさにそうしたブームの牽引役となった。

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