65歳以上の「食べられない」を軽視できない理由 BMIをまめに確認、食べる機能の老化にも注意
東洋経済オンライン / 2024年2月3日 6時50分
つまり、BMIの判断も臨機応変でOK。6カ月程度にわたり、BMI値の上下幅が3程度の範囲で安定していて、それが「標準」と大差なく、体調がよければ、問題なしです。
体が軽くなりすぎ、ふらふらして力が出ない。体が重くなり、立ち上がるときひざが痛い。そんなふうに感じるようになったら、食事を見直して体重の調整を。食生活に少しの工夫をすれば、3カ月で体は変わります。
BMI、心身の変化、体調について自らに問い、食生活や活動、運動で調整する習慣をもって、低栄養による健康被害を防いでいきましょう!
「ちょっとしたきっかけ」から「低栄養」が始まる
自分なりの幅の中でBMIがいくらかアップダウンすることを心配しすぎることはありません。しかし、高齢者が「低栄養」になってしまう原因は、いくつもあります。
食べること以外にも、生活や環境の変化、メンタルの影響など、さまざまな理由で「食べられない」は起こるのです。
「え、そんなことで?」と思うような、ちょっとしたことから「食べられない」が始まることも! 高齢期に入ったら、しばらく体重・BMIに変化がない人も、可能性があることとして「原因」を知っておくことが大切です。
食生活は家庭の内側のことなので、外部からはわかりにくく、私たち医療の専門職が関わるのは重症化してからであることがほとんどです。そうなる前に見つけ、重症化を防ぐことが本当に大切だから、「自分が主治医」と思って、ときどきチェックしてみましょう。
高齢の人が食べられなくなるのにはさまざまな理由があります。以下にざっと挙げてみました。
<食べているつもりで、食べられていない>
・中年世代から徐々に食べる量が減り、なおかつ消化吸収能力が低下してきた
・朝昼はほぼ変わらない食事をとっているが、夕食の量が減った
・食事の回数が3回から2回になった
・間食の回数と量が減った
・1つのお弁当を一度に食べきれず、残飯を捨てている
・1つのお弁当を一度に食べきれず、2回に分けて食べている
・高齢になったら活動量が減ったから粗食でいいと思っている
・痩せているほうが健康にいいと信じている
・特定の食べ物、食べ方にこだわりがある
・若いころに受けた「生活習慣病を予防するための食事指導」を続けて守っている
・調理ができなくなった、怖くなった
・ごはんの代わりに菓子や果物で済ます
・お餅やそうめん、おにぎり、パンだけ食べている
・最近の夏は暑くて、口当たりのいいものしか食べられない
・あまりお腹が空いていると感じない、食欲がない
・食事が「おいしい」「楽しい」と思えない
・とくに食事をおいしく、楽しくするように工夫はしていない
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