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自民「茂木派」が分裂状態で総裁選出馬に暗雲も 「政策集団」への移行に渦巻く不満と不安

東洋経済オンライン / 2024年2月3日 8時30分

そもそも、1月25日に決まった党政治刷新本部(岸田文雄本部長)の政治改革「中間とりまとめ」は「派閥が『お金と人事から完全に決別する』ことで『政策集団』に生まれ変わる」と宣言しており、幹事長の茂木氏もこれに従った格好だ。

ただ、茂木氏は、岸田派などが決めた「派閥解散」の前提となる政治資金規正法で規定される政治団体としての届け出の取り下げについては「政策集団のあり方を踏まえて考えたい」と存続もあり得るとの認識を示した。

小渕、青木氏ら「本流」メンバーが相次ぎ退会

その一方で、同派では1月25日に小渕優子選挙対策委員長、関口昌一党参院議員会長ら5氏が退会を表明した。今回の政治改革で再認識された1989年の「政治改革大綱」では党幹部や閣僚の派閥離脱が明記されており、小渕氏らはそれを退会理由とした。

さらに30日の同派会合で古川禎久元法相が退会を表明、これと並行して船田元衆院議員、西銘恒三郎幹事長代理も退会届を提出、退会議員は計8人となり、実質的な派閥分裂状態となった。

そうした中、小渕氏と歩調を揃える形で青木一彦参院議員が退会したことが派内に波紋を広げた。青木氏は「参院のドン」の異名があり、平成研の大幹部だった青木幹雄元官房長官の長男だ。そもそも茂木派内の人間関係をみれば、「小渕氏や青木氏は派閥の『本流』で、日本新党を経て自民党に入った茂木氏は『傍流』というのが常識」(派幹部)とされる。

その一方で、茂木派の過去を振り返ると「歴史的に参院議員の力が強く、参院茂木派は『鉄の結束』を誇示してきた」のは事実だ。ただ今回は、多くの参院組がすぐ関口氏らについて行くという状況とはなっていない。「派に残ったほうがいいのか、小渕氏について行ったほうがいいのか、みな様子見」(派関係者)とされ、事態はなお流動的だ。

小渕氏が安倍派の事情聴取役でネット炎上

そもそも、早くから「初の女性首相候補」と目され、2023年9月に党4役の選対委員長に起用された小渕氏には「ドリル事件」という“過去”がある。2014年10月、当時経産相だった小渕氏の収支報告書への虚偽記載が発覚した際、ドリルで壊されたパソコンのハードディスクが見つかって証拠隠滅の疑いが指摘され、以来「ドリル優子」と揶揄され続けてきたからだ。

自民党は、裏金事件に伴う安倍派の政治資金収支報告書訂正を受け、2日から関係議員の聞き取り調査を始めた。その事情聴取メンバーにわざわざ小渕氏を加えたことについて、党内では「茂木氏の嫌がらせ」(自民長老)との見方が少なくない。

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